永遠の層界

うちはらいと

小さき世界

継ぐ者

Prologue

 今までこうして生きてきて、ふとした時に疑問ぎもんが浮かぶ。


 本当に不思議ふしぎな世界だな、と。


 何が不思議なのか、目についたものほぼ全てに対してだ。どこのモノ好きが創り上げた世界なのか。なんてあずかり知らぬが、生きるには不要ふような要素が強すぎるような気がするのだ。


 小さな世界が上下にかさなり合うような構造こうぞうを有する世界に生きる我々。どこぞの神話に出てきそうな世界にしては、底も天井も無いと思わされる程に積み上がった終わりの見えないその風景ふうけいに(実際は見えないが)、毎度あきこまり果ててしまっているわけである。


 本当に変な世界だ。


 変といえば我々も大概たいがいな気がする。こんな世界に順応じゅんのうし、小さな世界たちを行き来する手段を見つけ出し、それらを用いてあらゆる物資を集めては、文明の発展はってんを繰り返しているのだから。


 その恩恵おんけいを受けて、こうして段々重ねの層界そうかいを生きている人類が言うのも、おかしな話なのかもしれない。きっとそうに違いない。なぜなら、こんなことを考えられるほど、人類はみんなひまじゃないのだから。

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