その翼に誇りを、その瞳に覇天の輝きを 24
『アネックス・ファンタジアをプレイ中のすべてのプレイヤーにお知らせします』
『現時刻をもちまして、
『参加したプレイヤー全員に、アイテム:
『アイテム: 残されし希望 を所持しているプレイヤーに アイテム: 古龍の始原核 が与えられます』
『瞬間火力ランキングが変動します』
『プレイヤー名: ゴッドセレス が瞬間火力ランキング1位にランクイン!』
そんなアナウンスが鳴り響き、破滅の光は徐々に空気に溶けて消えていく。
あまりの威力に思わず目を瞑っていた私も、魔法が収まってきたのを感じてゆっくりと目を開けると———
輝銀の鎧に身を包んだ重騎士、『お非~リア』が私やセレスさんの前に立ち塞がり、【
あれ、というかこの人、余波とは言えあの威力を防ぎ切った?
この人もシレッととんでもないスペックじゃない?
「ふふふふっ、やってやりましたわよ!
「いや、セレスにイシュタムは禁止カードだろ……そりゃランキング1位も取れますわ」
ダイヤモンドさんのツッコミに、ハッと思い出す。
そいえば
「セレスさん、瞬間火力ランキングって?」
「ふふふ……このゲームの中で、一撃で最も高いダメージを叩き出したプレイヤーのランキングですわ! これで、瞬間火力であれば
「はぇー、すっごい」
・反応うっす
・まぁ自分じゃないし実感ないわな
・そりゃセレスちゃんにイシュタム持たせたらそうなるわ……
・百人以上のプレイヤーからアイテム貢がれてたしな
「それは良いとして、これで4体の分身は討伐しましたわ。サクッと本体もいきます?」
「えっと、古龍の始原核が私のインベントリに送られてきたのよね。これまたアーカイブのところに届けないといけないし……」
あれ?
分身を4体倒したってことは、『始原核』も4つあるってことだよね……私とMr.Qとヘルメスさんでドラゴンの石像を3つ持ち帰って……その後すぐに
置きっぱなし?
またあそこまで取りに行かないとダメなの……?
これは一旦アーカイブに持ち帰って、Mr.Qとか戻ってきたら相談かなぁ。
すでに疲れてきた頭を回転させてそんな風に色々考えていると、ふと聞きなれない声が耳に届いた。
「プレイヤーの皆様、ありがとうございます! これで私たちの里が、『
「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」」
「っ!!」
エルフの少女の言葉に、プレイヤー達の咆哮が響き渡る。
ウンディーネという強大な敵を倒したからか、それとも可憐なエルフの少女にお礼を言われたからか。それは定かではないけど、少なくとも
一部の例外と言うのは、私とこの場にいる『アーカイブ』のメンバーだ。
『
ふと視線を送ると、アーカイブのメンバーの一人と目が合い、コクッと頷きあう。
『確保しよう』 『了解』ってところか。
目配せしたプレイヤーの男は、スッとミカツキに近づいて声をかける。
「そこの君、ちょっといいかい? その、ふふっ……おじさんとちょっと向こうで話さないかい?」
「言い方ぁ!! 誰がどう見ても事案でしょうがっ!」
ほら、ミカツキちゃんももう通報ウインドゥ開いてるし!
「だ、だってこんな歳の女の子に話しかけることなんて初めてだし……」
「いや、それで『経験がある』なんて言う方が怖いけど……まぁここは同じ女の子の私に任せなさい?」
「あ、脳筋のお姉さん」
「あ゛?」
・いきなりディスられてて草
・ミカツキちゃんキレッキレだなぁ
・あっ……カローナ様のその眼いい……
ま、まぁ相手は子供だ。今の発言も、戦闘中に私に矢を放ったのも水に流そうじゃないか。
「あな———」
「だってそうでしょ? 普通、物理無効なんて言われたら遠くから魔法で攻撃するでしょ。あ、もしかして魔法覚えてない感じ? ごめんね?ww」
「それは———」
「いきなり突っ込んじゃうぐらいだし、INT低そうだもんね。図星ついちゃってごめんね♡」
このメスガキがぁ……。
これはもう、分からせるしかねぇなぁ?
「ふふふ、ミカツキちゃぁん? ちょっとこっちに来てくれるかなぁ?」
「え……ひっ」
・カローナ様ニッコニコで草
・そりゃカローナ様を煽ったらそうなりますわ
・これはまさかメスガキ分からせルート……?(期待)
突然笑顔になり、雰囲気ががらりと変わった私を見て、ミカツキは小さく悲鳴を漏らした。
私はカメラを固定しておき、ミカツキちゃんを連れてフレームの外へ移動する。別に疚しいことをするわけじゃないし、私も怒っているわけではない
巻き込んでしまって悪いけど、動画的にもおいしい……まぁノリってやつだ。
「すっごいの見してあげるわ、ほら♡」
「な、なにこれ……」
「ほらぁ、どうかしら?」
「すご……とっても大きい、です……」
・っ!?
・な、なにが起きてるんだ!?
・くそっ、映してくれ!
・分からせルート来た———っ!?
「なんでこんなものを……」
「なんでって、こうするためよ♡」
「ひっ、そんなのっ、入らなっ……!」
「大丈夫、無理やりでも押し込んであげるから♡」
「らめっ……んんっ! うそ……入っちゃった……」
・カローナ様、付いてる説
・お得じゃん
・むしろ興奮する
・いやもう興奮してる
・カローナチャンネルの視聴者ってさぁ(脱ぎながら)
「ほらほらぁ、まだまだこれからよ♡」
「あっ、こんなにたくさん詰め込まないで……!」
「ふふ、そんなにうれしそうな顔をしておいて、どの口が言うのかしら?」
「ぁうっ……いっぱいになっちゃった……♡」
「今日はこれぐらいにしておいてあげるわ……また欲しくなったら私のところに来なさい?」
「はい……お姉さま、ありがとうございます……♡」
「ふぅ……まぁ私の手にかかればこんなものよ」
・エッッッッッッッッ
・切り抜き不可避
・分からせ完了
・カローナ×メスガキの薄い本が増えるなこれは
●カローナ様のブーツ:[¥5,000] カローナ様ってついてるんですか?
・何聞いてんだよお前ww
「ついてるって、何が? 私運はよくない方だけど。え、背後霊の話?」
・伝わってないぞ
●カローナ様のブーツ:[¥5,000] すみませんでした
・草
・一歩間違えたらアウトだったし、カローナ様に救われたな
「よくわからないけどいいや。それでミカツキちゃん。エルフのみんなをこのまま放っておくわけにはいかないでしょ? とりあえず移動して、色々と話を聞かせてくれない?」
「そ、そう言うなら……分かったわ」
よしよし、私の餌付けが効いたようだ。
————————————————————
あとガキ
「すっごいの見してあげるわ、ほら♡」(ワイバーンから採った素材を見せる)
「な、なにこれ……」
「ほらぁ、どうかしら?」
「すご……とっても大きい、です……なんでこんなものを……」
「なんでって、こうするためよ♡」(ミカツキの腰にあったアイテムポーチ(外付けインベントリのようなもの)に押し込む)
「ひっ、そんなのっ、入らなっ……!」
「大丈夫、無理やりでも押し込んであげるから♡」
「らめっ……んんっ! うそ……入っちゃった……」
「ほらほらぁ、まだまだこれからよ♡」(ほかにもディアボロヴェスパの素材の残りなどを大量に取り出し、アイテムポーチへ詰め込んでいく)
「あっ、こんなにたくさん詰め込まないで……!」(アイテムポーチの容量を心配し)
「ふふ、そんなにうれしそうな顔をしておいて、どの口が言うのかしら?」
「ぁうっ……(アイテムポーチの容量が)いっぱいになっちゃった……♡」
「今日はこれぐらいにしておいてあげるわ……また(素材が)欲しくなったら私のところに来なさい?」
「はい……お姉さま、ありがとうございます……♡」
こういうこと。
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