極彩色の女王 6
既に満身創痍で立てない程に傷つきながらも、その覇気は一切衰えていない。アナウンスが言っていた『深緑の主』と言うのも納得だ。
……思うに、
どちらかと言えば、
まぁ私が予想以上にしぶとかったってのもあるとは思うけど……。
未だに闘気が衰えていないのは、変なタイミングで乱入してきたこの男に怒りを覚えているから。私もそうだしね。
正直やろうと思えば、ここで
———けど、そんな後味悪いことはしない。
だから、たとえ不利な状況になったとしても、私は私の矜持に従う。
お願いだから私に襲いかからないでね?
私はインベントリからHPポーションを取り出し、躊躇うことなく
心なしか、女王蜂さんの目が見開かれたような気がした。女王蜂は複眼で瞼なんかないから気のせいなんだけどね。
「あんたもあいつにムカついてるでしょ? 私だけだと火力足りないからちょっと手伝ってくれない?」
すでにこちらに迫りつつある
正直に言って、女王蜂にはどうでもいい話だろう。
体力を回復した今なら、
だから、ここからはもう賭けだ。女王蜂がNPCのような心を持っていることに賭けて、後ろから女王蜂に攻撃されないことを願うのみ。
けど、あぁ、もう、
「!?」
直後、轟音。
【神斬舞】のノックバックすら耐えたはずの
それを起こしたのは当然———
ゆったりとした所作で、数分前に私が見せたようなハイキックの体勢を戻す女王蜂の姿に、私は思わず歓喜に手を叩いた。
———『アネックス・ファンタジア』において、初めてプレイヤーとモンスターが意志疎通を成し遂げた瞬間であった。
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