8月18日 9時57分
本当は、あんなとこ行きたくない。
でも最終確認をする為には行くしかないんだ。
見るのも嫌な制服に袖を通す。
『ふわぁ〜っ、あれ、起きてたの〜、』
……あれは完全に寝ぼけてるな。
「僕、学校行ってくるからね」
『きょうはにちようびぃ〜、うにゃうにゃ、』
「知ってるけど、部活あるから学校入れるよ」
『またいのこりなの〜』
「んーんー。漢字テストで居残りしたのは結構前の話でしょ」
『うにゃぁ〜、』
「……じゃ、行ってくるからね」
『はぁ〜い、』
「……ずっと、こうやってたいな」
10時20分
中学校校舎前
「…はぁ、」
気分がとても重い。上履きに履き替えて靴は持ってきた鞄に入れる。
(なぁ、あいつ誰?)
(知らないのかよ ほら不登校の)
(今更何しに来たんだろうな)
(ずっと引きこもってるんだって)
(やばくない?将来どーすんだろうねw)
(ほら、あいつじゃない?あの噂の)
(あぁ、自分のこと僕呼びの?)
(そうそう)
数人の視線と言葉が刺さる。
「何も知らないくせに好き勝手言いやがって」
俯いて教室に入る。きっと、居るはずだ。
ガラガラガラッ
自分の席に着く。相変わらず落書きだらけだ。
花瓶に花も入れて、丁寧な事だ。
「おっ、お前、!」
きた。耳障りな声が聞こえる。
「…なに?」
「お前っ、人殺しが調子乗んなよ!」
「人殺し?……僕、君に何かした?」
「しらばっくれんなよ!」
「僕には覚えがないね」
「お前がっ、お前があの時休んでなければ!」
「僕が休んでなかったら、なに?」
「お前が休んでなかったらっ、あいつは、しn」
「お、何話してんの?楽しそーじゃんw」
「あっ、あぁ、違くて、これは、な、?」
突然話してた奴が怯え始める。
「ははっ わかってるってw」
「…あんた誰。で、僕が休んでなかったら?」
「あ、あぁ、それは、」
「なんでもないよな。なぁ?」
そいつがにぃっと笑う。目が笑ってない。
「う、うん、なんでもない、」
「…あっそ。」
邪魔が入ってしまった。
「お前とっとと帰れよw今更何しにきたん?w」
「あんたには関係ないだろ」
でも、もういい。
あんないじめっ子に興味なんてない。
僕はゆっくり教室から出ていった。
「それで、肝試しなんだけどさー」
午前10時49分
『おかえり!』
「…ただいま」
『そういえば!はいっ、これ!』
「これ、」
『うん!Am○zonさんから!』
「中身、みてないよね?」
『もっちろん!』
「そっか」
「それなら、いいんだ」
8月18日終了。
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