8月13日 午後17時15分

8月13日 午後17時 15分


『あのね』

『死んだ理由を探して欲しいの。』


「……理解が、できない。」


『まぁそりゃそうだよね〜、それよりも泣きそうになっちゃってるし!大丈夫か〜?』


「大丈夫なわけ、ないだろ」


『……置いてっちゃってごめんね』


ほんとだよ、ほんと、置いてかないでよ。

涙が溢れそうになって袖で乱暴に拭く。


「それでっ、なんで、今更死んだ理由を?

事故死って、なってなかったっけ、?」


『そうみたいだよね?だからあの世で死んだ理由的なものを書く時もそー書いたんだよ!』


「あ、そーいうシステムなんだ。」


『そうとも!それでね?そう書いたら違うって言われたの!でも覚えてなくて!』


ん?おかしくないか?

「……覚えてないの?」


『うん…記憶がなくって。気がついたらお空の旅!』


「……軽く言うなよ」


『ごめんごめんっ、それで、死因が分からないとどっちにも行けなくてさ…。お願いっ、!お願いだから手伝ってぇっ、、!!!』


「いやいいけどさ、でもなんで夏の終わりまで?」


『いやぁ、そのー、』


夏が終わったら、帰んなきゃ。


「え、?」

『ごめんね、紡』

なんで、嫌だ、嫌だ嫌だ。やだよ。そんなのせっかく会えたのに。嬉しかったのに。またお別れなの?そんなの絶対に嫌だ。


『今、お別れしたくない〜って思ってるでしょ?』

「はぁ、?」

『だって、泣いちゃってるもん!』

「……」

少したったあと。少し冷たいけど暖かい感触があった。

『大丈夫、大丈夫。今は隣にいるよ』

あぁ、どうしよう。

楓菜の前では泣きたくないのに。

どうしようも無く腕を濡らしてしまう。


『大丈夫、泣いていいよ 今は怖い人いないから。誰も紡のこといじめないよ。』


「……うん」


その後僕はぼろぼろ泣いてしまった。


8月13日 終了

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る