準備運動14
翔吾に引きずられ...抵抗も虚しく生徒会長たちの元へ...
「こんにちはー!!」
と、元気に挨拶するのが...翔吾
「こんにちは」
と、お淑やかに笑顔で対応するのがイケメン生徒会長
「........」
そして、黙り込む俺と...
どうやら、既に意気投合しているらしい
楓と櫻は美人副会長と会話している
ん...?
これ...俺の居場所ねぇな...
「まぁ、とりあえずみんな座ったらどうだい?」
「あ、ありがとうございます!!」
既に敷かれたレジャーシートに全員が腰を下ろす
「......」
はぁ...早く終わらねぇかな...
「き、君!」
と、生徒会長から肩を叩かれ呼ばれる
「え...? 俺ですか?」
「あぁ、君だとも」
迷いのない澄んだ黒い瞳が目の前に近づく
「ど...どうしました?」
「君...凪くんだろう?
この学校の入学試験を唯一満点突破したという...」
は?
なんで、バレて...
「え? 凪、お前
そんなに頭良かったのか!?」
「え..えっと、それは..そのぉ...」
気づけば、楓や櫻、副会長まで俺の話を聞いている
「本番で前回の入試の合格者平均点をド忘れして...つい」
「...君、すごいな」
やめてくれ...
「な、凪
お前、普通の人間じゃねぇな?」
「え...? 何を急に」
みんな、目立ちたくないやつはやってるんじゃないの..?
「普通の人は合格者平均点など覚えて...
その点数を取るという発想に至りませんわよ...」
と、副会長にも言われる
「凪くん...そこまで目立ちたくなかったんだね...」
と、櫻
「びっくりだねー...」
と、楓も同調し...
あ、あれ...?
これ...なんか、言うこと間違えましたかね....
「君こそ、次期生徒会長に!!」
「は?」
生徒会長がいきなり大声をあげる
あ...ちょ..他の人見てますけど...
「次期生徒会長って、まだ早くないですか...?」
と、思わずツッコむ翔吾
そりゃ...な
まだ5月だろ?
「いやいや、早めに立候補しておけば応援も得やすくなる!!」
「ちなみに、この人は1年生の入学式の時から、生徒会長に立候補してましたわ...」
と、副会長が補足
想像するのも難しい状況だなぁ...
「と、いうわけで君も───────」
「絶対に嫌です...」
「そこをなんとかぁ...
君みたいな高スペックな人物に後任を任せられたら安心して引退できるんだ!!」
熱意...生徒会長に全てをかけすぎでは...?
「俺は絶対にやりませんからね...?」
「くぅ...絶対に諦めない
君を次期生徒会長にしてみせるからなっ!!!」
──────────────
「すごい先輩に目つけられたね...」
と、楓に言われる
「あれは...凪くんの天敵じゃない?」
と...櫻にまで現実を突き付けられ...
「ま、まぁ...元気だしていけよ
どうにかなるって!!」
「あぁ...まぁ、あの人がいくら生徒会長でも会長権限で指名とかはできないだろうし....」
俺が拒否し続けたら...諦めて...くれるのか....?
「ま...まぁ、頑張ってね...」
バスに戻る道の中...とにかく、楓と櫻、翔吾に励まされたのだった...
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