モノローグ(始)

 写真というアプリを眺めていると、そこに並んでいるのは。どれも見た目も、そこから思い起こされる記憶も美しいものばかりだ。テーマパークのライトアップ、夕日に彩られた静かな海、誕生日を祝ってもらった背伸びした高級料理。それから、幼馴染の友人が産んだ赤ちゃんの笑顔。どれも本当に美しいし、輝いている。しかし、一枚だけ削除できず、そして誰にも見せられない。忌まわしくも美しい「火」の写真があった。あの火は私を焼き尽くし、そして大袈裟な言い方をすれば、私は私自身に生まれ変わったからだと思う。

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