資産家連続殺人事件3
羽弦トリス
第1話プロローグ
Y大学物理学部教授の
月30万円もするマンション一人暮らしもキツい状況。
大学が物理学部の研究費を大幅にカットしたからだ。そこで、私財を投じていた。
もう、金は無い!
左源太は喫茶店で朝のサンドウィッチを食べながら新聞を読んでいた。そして、広告欄に、
「あなたに、部屋をお貸し致します。月5万円です。金田美代子」
と、印字されていた。左源太は驚き、連絡先をメモした。そして、仕事の合間に部屋の貸主である金田美代子の事を検索した。
イギリスの出版業界で活躍した女性で、その権利を譲り資産家として有名。
資産500億円はあるとウワサされていた。
結婚歴は無く、家政婦も雇わず5億円の豪邸に一人で住んでいるらしい。
月1回、パーティーを開き政財界の有名人が集まるらしい。
条件は、働いている人間、55歳以下、いつでも金田の話し相手になれる人物。とある。
左源太は、電話してみた。
週末、金田が面接するという。
週末。大きな門に設置されてあるインターホンのボタンを押した。
3台の防犯カメラが見える。
「どなたかの?」
「先日、面接を希望した左源太雄大と申します」
「あぁ〜、左源太さん」
すると、自動的に門が開いた。
金田美代子(75 )は、玄関先に立って待っていた。
面接が始まった。
「なんとまぁ、Y大学物理学部の教授さんとは。いいでしょう。部屋を貸します。なんなら、2階は全てあなたの部屋にします。お若いし友達も多いでしょう」
「あ、ありがとうございます」
左源太に、友達は居なかった。
こうして、2週間後荷物を金田の豪邸に移した。
【この婆さんには、金が腐る程ある。1億円くらい奪ってもても問題なかろう。
よし、この婆さんから金庫の在り処さえ引き出せば、私は物理学者。金庫破りも屁ではない。
ただ、婆さんには悪いが死んでもらう。
私には闇ルートから30万円で買い取った、殺し屋名簿がある。
私の手を汚す事無く、婆さんには死んでもらおう】
住んで一ヶ月。地下の金庫に財産を保管していると、ワインで酔った金田婆さんが言った。
さっそく、殺し屋名簿を眺めて、適当な殺し屋を選び電話を掛けた。
簡単に婆さんは始末出来るだろう。
左源太は複雑な物理学の勘で、コイツに決めた。
「切り裂きチャック」
左源太は切り裂きチャックに電話した。
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