俺の☆では常識です♪

夕日ゆうや

常識が違う

「俺、お前が好きだ」

「へ? いきなり何?」

 警戒心を強める入野いりの

「俺の星ではこのくらい強気が普通なんだぞ? しかも受け入れてもらえないとか……」

「あんたの星では、セクハラが蔓延してそうね」

「セクハラってなんだ?」

「そこからかー……」

 頭痛がするのか頭を抱え込む入野。

「セクシャルハラスメント。不快に感じさせる性的な行動のことよ!」

「そんな辞書みたいな言い方」

「だってなんとなくで使っていたから」

 入野はスマホを片手にそう呟く。

 どうやらこの星の人間は電気を使って通信するらしい。

 俺たちの所謂テレパシーが使えればいいのに。

 知識は全てマザーコンピュータに送られている。

 入野がどう思うか、分からないが、この恋愛も一種の実験でもある。

 まあ、俺自身も彼女のことを気に入っているのだけどね。

 所謂一目惚れって奴だ。

 そして会ってから二日目で今に至る。

 どうやら地球に住む者たちはそんな簡単に告白しないらしい。

 うーん、と首をひねっていると、入野は立ち去っていく。

「告白、嬉しかったよ」

 さらに俺の頭を悩ませる火種が産まれた。


 嬉しいなら、なんで断るんだ? と。


 やはりこの星のことは分からない。

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