ぼんやり

鈴乱

第1話


『あー、動けねぇ……』


 布団に寝転がって、天井を見上げる。


『何度目だっけなぁ』


 定期的にやってくる、この、「動けない病」。


 健康診断じゃ『はい、大健康!』とお墨付きをもらってるのに、たまーにあるんだ。


 よく分からんが、動けない。


 疲れてる、わけでもなく。

 直前までピンピンして、シャカシャカ動いて、そんで急にズドーン。


『一体、なんやねん。もうー』


 色々が投げやりな心地で、仕方なしに天井を見ている。首も、あまり回らない。


『あー、重てぇ……』


  鉛でもつけられたかのように、手足が重い。


『……あきらめるか』


 そう、こういう時は、諦めるが勝ちだ。


 ジタバタしたって仕方ない。


 腹を据えて、ゴロゴロしよう。


 腹を決めんのは、何かをする時だけじゃないんだぜ。たぶん。



『もういいや。なるようになれ』


 やれるとこまでやった。やれるとこまでやってのこの結果だ。

 満足はしてない。納得もできぬ。


 けど、もうこれ以上は無理。


 人前で平気そうに笑うのも、全然一人でやれますよ、とか思うのも、もう無理。


 無理ってか、ヤダ。


 もう知らん。今日は、思いっきりゴロゴロするんだ!!!

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ぼんやり 鈴乱 @sorazome

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