恋バナはモーニングコーヒーの余韻で

春野 安芸

001.夢とキャラ変

 夢を見た。


 とてもとても不思議な夢を。


 そこは学校の屋上。見覚えのない学校の、普段入ることのできない場所。

 夕焼けの赤い光が遥か遠くから俺たちを照らしていて、春の息吹が優しく通り抜ける。

 まるで決意を固めた俺を自然全てが応援しているかのよう。そんな不思議な感覚を覚えながら一歩強く前に出る。


 その一歩は自分の意志とは反したもの。

 突然の世界に突然の展開。しかし一方でその違和感を受け入れている自分がいる。

 故にこの世界は夢だと判断することができた。緊張する自分とそれを俯瞰する自分。相反する2つの意識が共有しつつも夢は粛々と進行している。


 見覚えのない学校の屋上に照らされた人影。

 俺が向いてる方向に誰か人が立っていることに気がついた。

 背を向けているお陰で誰なのか全くわからない。この学校の制服を身に包んだ女生徒だ。その姿から察するにまだ俺の接近には気づいていない様子。緊張しているもう片方の意識は一歩を踏みしめながら勇気を振り絞って彼女に向かって口を開く。


「あ、あのっ!!」


 あまりにも緊張しすぎたせいで若干上ずってしまった。

 しかしその声は間違いなく彼女に届いたようだ。ゆっくりと振り返った人物は一瞬だけ驚きの表情を見せたもののすぐに優しい微笑みを向けてくれる。

 優しくも芯の強さを感じる笑み。そしてその包容力は全てを包み込んでくれるかのよう。そんな笑顔と夕焼けに照らされる神秘的な雰囲気も相まって、ついつい風に吹かれる彼女の姿に見惚れてしまう。


 ――――こんなところに呼び出して、どうしたの?


 彼女の声が、頭の中に響いた。

 否、響いたんじゃない。あの口が言ったんだ。それが夢のせいで頭に直接届くように錯覚したんだ。

 その言葉を聞いて思わず今回の目的を忘れそうになったところ、慌てて意識を覚醒させる。


 そうだ。夢の世界の俺は彼女を呼び出したんだ。

 その理由も至極単純。大切なことを伝えるため。


「あのっ……その……」


 言葉を伝えようと思っても、上手く口にすることができない。

 仕方ない。それほどまでに勇気のいることだ。しかしこれじゃいつまで経っても話が前に進まない。


 顔を上げれば夕焼けに照らされた彼女の顔が笑顔で俺の言葉を待っている。

 きっと俺が口にできるまでいつまでも待ってくれることだろう。そんな確信が自分の中にはあった。

 そんな優しいまなざしを受けて俺は高鳴る心臓を押さえつけながら一歩前に出て思いの丈を口にする。


「あ、あなたのことが……好きです!!」


 それは心からの叫びだった。

 俺の意思とは反して行われる自分自身の愛の告白。

 もちろん俺自身はその夢を見ているだけなのだから抵抗することも驚くこともできなかった。


 そもそもおかしい。今の俺には恋人はおろか好きな人すらいない。なのにこうして告白をしているとは。もちろん相手の女性が誰かわからない。夕日に照らされて人の判別ができないけれど、何故かその人が目的の人だとわかるし表情も読み取れる。これが夢の力か。


 結果見に覚えのない告白をした俺は、自身の感情に則って相手の反応を見るだけとなる。当然のことながら自分の思いは手に取るようにわかる。故にこの告白は本気のものだと理解することができた。

 グッと力強く握って告げた一世一代の告白。しかし暫く待っても相手の反応が無いことに少し頭を上げて様子を伺うと、女生徒は驚きの顔を浮かべて立ち尽くしていた。


 そんな彼女に「あの……」と問いかけると、まさか告白されるとは思っていなかったのか慌てて言葉を探す様子が見て取れた。


 ――――ありがとう。


 ふと、そんな言葉が聞こえてきた。

 目にした表情は笑顔。そして少しだけ困った顔。

 更に彼女は続けて言葉を紡いでいく。


 ――――ごめんなさい。


 それは俺を天から地へ叩き落とす魔法の言葉。

 たった6文字の、そして全てを内包する言葉。間違いなくその言葉を耳にした俺はまさしく文字通り落ちていく。突然ポッカリと空いた穴へ、身体が真っ逆さまに落下していった。



 ―――――――――――――――――

 ―――――――――――

 ―――――――



「――――って夢を見たんだが、どう思う?」

「どうって言われても…………」


 そこは生まれてから十数年寝て起きてを繰り返してきた自室。ベッドが置かれ、勉強机があって、漫画やゲーム機やタブレットなどが置かれている部屋。

 俺はベッドに横になって漫画を流し読みしながら今日見た夢のことをすぐ側の人物へと話していた。


 "彼女"は椅子に座りながら手にしていたスマホを机に置いて困惑したように俺を見る。


はやてってば……中学で最後まで友達居なかったものだから、ついに夢の世界でまでフラレちゃう夢を…………」

「…………」


 はやてとは俺のこと。藤田ふじた はやて。それが俺の名前だ。

 

 憐れむようなその返事を受けて否定するように"彼女"を睨むも、当の本人は慣れきっているようでどこ吹く風。

 友達いないなんてそんなことはない!そんなことはない……と思う。


「友達くらい……いるし……」

「えっ!?ウソウソ!?あたし以外颯に友達っていたの!?」

「…………」


 思い切り突っ込みたい気持ちを押さえてグッと堪えて言い返すと、まるで珍獣でも見た目で前のめりに聞いてくる。


 た、確かに俺には友達がいない。それは認めよう。

 しかしそれは出来ないわけではない!作らないだけ!俺は選択的に友達を作っていないだけだ!!

 そんな思いと共に再び沈黙と睨みを向けるもやはり効いている様子はない。友達が居ないこと事態は否定できない……できない……が、ともかく今日の本題はそこじゃない!!


「そうじゃなくって、この夢を春休みに入ってから毎日見てるってこと」

「あ、そっち?てっきり颯が夢でも友達居ないってことアピールしてるものかと」

「んなわけあるか」


 まったく、なんでそんな自らの恥を自らひけらかすようなことをしなければならないんだ。

 夢の内容はまぁ大したことない……と思う。問題はこの夢を毎日見ているということだ。

 先程告げた夢はなにも昨晩見ただけじゃない。ずっと同じ夢を見続けているのだ。

 その数およそ一週間ほど。ほぼ毎日。1日だけならそういうこともあるだろう。しかし毎日となるとさすがの俺もおかしいと違和感を覚えたのだ。


「んで、柚菜ゆずなはどう思う?」

「ん~」


 寝転がりながら枕を投げると、彼女はそれをキャッチして自ら抱きしめ考え出す。


 柚菜ゆずな一ノ瀬いちのせ 柚菜ゆずな

 小学校に入ったときから共にいる俺の幼馴染でお隣さん。

 もちろん"彼女"と呼称するといっても恋人というわけではない。タダの腐れ縁とかそんな感じだ。


 その性格は一言で言うと子犬。

 何でもかんでも俺の後ろをついてきて、「颯!颯!」と俺の名前を呼びながら何をするにも一緒がいいと公言さえする女の子だ。

 表情豊かで若干オーバーリアクションという、普段から無愛想な俺とは対称的な性格である。


 容姿はまぁ……悪くはない。可愛い系。

 まだまだ幼さを残した顔つきで、オレンジがかった茶髪をボブにしていて桜のヘアピンがトレードマーク。

 昔から変わらない髪を揺らしながら、時折前髪をイジイジしている。


 俺に友達が居ないから、唯一の友達(?)である柚菜と関わる機会は必然的に増える。そもそもお隣さんで昔から家族ぐるみの付き合いだ。こうしてともに部屋でダラダラ過ごすのは日常そのもの。だから正直の所何を知られたところで恥も何もない。


 俺の夢の話を聞いて暫く考える素振りを見せていた彼女は、なにか思いついたように「あっ」と声を上げた。


「なにかわかったか?」

「うん。夢ってその人が心の奥底で望んでることが出てくるってネットで見たんだよね」

「望んでること?」

「うん!つまり、実は颯が心の奥底で恋人を欲しがってるってこと!!誰か好きな人できたとか!?」

「ないな」

「即答!?」


 何故か鼻息荒くこちらに目を輝かせてきているのを見て思わず一刀両断。

 好きな人か……俺の好きな人……。


「そもそも友達がいない俺に好きな人なんて―――――あぁいや、一人居たかも……」

「えっ!?だれだれ!? 誰か好きな人いるの!?」


 俺のふと思い出した発言に座っていられなくなった柚菜は寝転がっている俺にズイッと迫ってくる。

 その距離は20センチもないだろう。しかし散々見てきた柚菜の顔。いちいちそんなことで驚く俺ではない。未だに興奮している彼女の小さな頭をグイッと押しのけて身体を起こすと、今か今かと返事を待つ姿に一つため息をつく。


「はぁ……。そんなの狭川さがわ先輩に決まってるだろ」

狭川さがわ……先輩…………」


 まるで常識のように、知らないことがおかしいかのように告げる俺の好きな人。唯一心当たりのある人物の名前を口に出す。

 それを冷静に受け止めた柚菜はフッと考えるために目を伏せる。


「あの人はなんというか……うぅん……。ドンマイ!」

「おい。なんで慰められてるんだ」


 数秒だけ考えていた柚菜。しかし分析をし終えた彼女は、まるで決まりきった結果かのように俺の肩を慰めるようにポンポンと叩く。

 動揺どころか驚きのかけらもない、もはや結果なんてわかりきっているかのよう。そんな彼女に疑問を呈すと手を広げて力説しだす。


「いやだって狭川先輩だよ!あの!! ムリどころか人生5回やり直してもまだムリなレベルじゃん!!」

「気持ちは分かるがどんだけ俺の人生やり直さなきゃならないんだよ……」


 冷静にツッコミはするが否定はしない。俺もそれくらいだと思っているからだ。


 狭川さがわ先輩。

 同じ中学の先輩。一つ上だから今は高1……いや、この春休みを終えたら高2か。

 容姿端麗・スポーツ万能。その容姿は小学時代にスカウトされそのまま全国区のミスコン的なイベントで賞を獲得。そのまま読者モデルを経て芸能事務所へ入所。今は人生経験を得るためのレッスン中で、高校を卒業すれば女優として花開くことが約束されている、まさに生まれながらの勝ち組だ。

 性格はまさに大人のお姉さんといった様子。包容力もあって凛々しくて懐も広い。

 そんな欠点なんて無い超人っぷり。無敵過ぎて現実なのにチートを使ってるのかとさえ思うほど。


 そんな完璧人間だからこそ男からは引く手あまた。むしろあの人を目にして好きにならない人がいるのだろうか。いや、ない。

 まぁ、話したことはないんだけどな。


 ともかく、そんな雲の上の存在だからこそ柚菜もありえないと言うわけだ。俺もそう思う。彼女のことが好きだと言う人はごまんといる。もはや女優とかアイドルとか、そういったものへの好きと似たようなものだろう。

 偶像への好意。星に手が届かないのと同じように、好きと言ったからといって何も変わることもない。そもそも恋愛的な意味ではないのだ。


 それが分かっているからこそ柚菜はまるで首振り人形のように横へ振っている。まぁ、もしも……万が一本当に狭川先輩から好きだと言われたら……話は変わってくるかもしれない。そんな事隕石が降ってくるよりもありえないことだけどな。

 そう一人で嘆息し、窓から山へ隠れようとしている太陽を見る。


「はぁ……。夢については収穫なしか。単に高校入学を前にして緊張してるだけかもな」

「そうだね……そうかも。でも――――」

「…………?」


 でも、なんだ?

 そう思って目を配らせると、椅子に座った彼女は少しだけうつむきながら指先同士をくっつけては離している。

 チラチラと様子を伺うように視線を向けながらも、ふと目が合うと慌てたように目を伏せてしまう。


「でも、ね……。もし……もし、さ。もし颯が寂しいなら、幼馴染のあたしが彼女になっても――――」

「いや、それこそ無いだろ。俺の好みはお姉さん系。柚菜と付き合うのならポンを彼女にしたほうが遥かにマシだ」

「――――酷い!!」


 言い切る前の俺の否定に勢いよく立ち上がった柚菜は抗議の視線を向けてくる。

 いやだって、もう10年こうしてダラダラずっとしてるんだ。彼女なんて、ねぇ。

 それに俺はお姉さん系が好きなんだ。精神的にリードしてくれる大人の余裕。最高じゃないか。


 ちなみにポンとは柚菜の家で飼ってる犬のこと。ダックスフンドで人懐っこくて可愛いんだ。あの子。

 俺がコイツの家に入ると真っ先に出迎えてくれて足元をスリスリとしてくれる。そして抱っこすると肩に足を乗せながら舐めてくれる姿は本当に癒やされる。

 その上散歩も大好きで、あのダックスフンド特有の短い足でバタバタと歩くさまはまさに癒やしの境地。リードを持つ柚菜と早足で進んで少し離されてしまい、ふと振り返った時に目が合えばキチンと俺が追いつくまで待ってくれるさまなんてもう抱きしめたくなる。

 更に俺がソファに寝転んでいると、ポンも腹に乗ってきて一緒に寝るように身体を預けてくれるのだからたまらない!!あぁ、最近会ってなかったからまた会いたいな…………。


 そんな愛しのポンのことを考えていると、ふと放置していた柚菜が唸り声を上げながら拳をギュッと握りしめてこちらを睨んでいることに気付く。


「む~!わかった!そんなに狭川先輩が良いって言うんならあたしだって考えがあるんだから!!見ててよね!!」

「はっ?おいちょっと!何処行く……!?行っちゃった……」


 突然怒ったように身体を翻した柚菜はそのまま真っ直ぐ部屋の外まで。暫くバタンバタンと床を鳴らす音が聞こえた後に玄関の扉の開閉音までが聞こえていく。

 まさに電光石火。突然のことに俺はベッドの上で一人呆然とする。


「なに怒ってんだ。あいつ」


 少しだけ唖然としてしまったが、特になにも無いと俺は即座に切り捨てた。

 しかし彼女の暴走は今に始まったことじゃない。きっと明日にはケロッと怒っていたことなんて忘れていつものように此処へ遊びに来るだろう。

 ベッドから身体を起こしていた俺もすぐに身体を捻って再び横になる。そしてベッドの隅に重ねておいた漫画に再び手を伸ばす。


 春休みも半分を過ぎようとする3月最終日の出来事。

 突然去った柚菜は、その後高校入学の日まで姿を現すことはなかった――――



 ―――――――――――――――――

 ―――――――――――

 ―――――――



 ピピピピピピ―――――


 一日の始まりは、そんな無機質な信号音だった。

 前日にかけていたスマホのアラーム。普段より少し気合を入れるために、普段より少し早めにセットしておいた目を覚ますための機械音。もう何年もお世話になっているその音に、夢とうつつの境を行き来していた俺は不快感と同時に意識を少しずつ浮上させていく。


「ん……う…………。まだ早すぎるだろ……」


 まだ意識さえも朧気なまま枕元に置いてあるスマホを手で探し当てて目にした時間は、普段起きるより随分早い……早すぎる時間だった。

 それはせっかくの入学初日だから昨晩早めに起きようとセットした俺自身の策略。しかしそんなことなんてすっかり頭から飛んでいる俺はスマホを放り投げて枕に頭を突っ伏していく。

 まだ起きるには早すぎる。これならまだ1時間はゆっくりすることができるだろう。そう結論づけた俺は、昨日の企みなんて一切忘れて再び夢の世界へ――――


「こらっ、颯君。もう朝よ。起きなさい」

「…………ぁん?」


 その声は、とんでもなく違和感を覚える言葉だった。

 声的には散々聞き慣れた、聞き飽きたとも言える知り合いの声。しかしその口調は俺の知る限り誰とも合致しない言葉遣いだった。

 俺の事を君付けで呼ぶ人なんて知らない。そして優しく起こしてくれる人すら知らない。けれど声は聞いたことあるという、なんともアンマッチすぎる組み合わせで夢の世界に歩みを進めていた俺はつい足を止めてしまう。


「これでも起きないの!?えっと、次のセリフは……。こ〜らっ。起きないと……イタズラしちゃうわよ?」

「…………?」


 やはり、声は聞き馴染みのあるもの。間違いない。けれど口調は俺の知るどれとも違うものだった。

 一体何事かと思って瞼を開けると、しばらくぶりに顔を合わせる奴の姿がそこにあった。


「あっ、起きた!……じゃなくて、やっと起きたのね。いい夢見れたかしら?」

「…………なにやってんだよ、柚菜」


 ベッドで横になっている俺を覗き込んでいたのは、これまで散々見てきた顔、そしておよそ1週間ぶりに見る柚菜のものだった。

 この1週間何してたとか色々聞きたいことはあるが、眠気で働いていない脳はなんとかその口調について問いかけるも、ふいっと目を逸らしてその問いを躱す。


「ほ、ほら。今日は入学式でしょう?遅刻しちゃ……遅刻するわよ」

「……なんだ、お前ちょっと会わないうちに変なモンでも食ったのか?」

「たべてないよ!……ううん、食べてないわ」

「…………」

「そ、そんな目をしても食べてないわよ!」


 ………怪しい。

 全てが怪しすぎる。


 なにか突然豹変したような柚菜だが、全く様になっていない。

 堂々とすればいいものを変にボロが出てるせいでむしろ違和感バリバリだ。

 本当にこの数日で何があったのだろう。そう問いかけようとも思ったが、彼女の言うことももっともだ。今日は高校初日。遅刻するわけにはいかない。丁度目も覚めてきたことだし、早めに起きようと思った時間からさほど経っていない。ならばさっさと起きるに限る。

 ならば早いとこ着替えることにするか。


「コホン、わかったのなら早く起きて…………って、何やってるの!?」

「うん?何って着替えるんだけど、お前こそ何驚いてんだ?」


 別に着替えなんて初めて見るわけでもなし、何を驚いているんだ?

 さすがに全裸は俺でも無理だが、下着までならセーフだろう。……そう言えばコイツの前で最後に着替えたのって小6の頃だっけ。まぁいいや。3〜4年なんて誤差だ誤差。

 ベッド脇で呆然とする柚菜を気に留めること無く服を脱いでいこうとしたが、彼女はハッと突然目を覚ますように身体を大きく震わせその身体を翻す。


「そ、そういうのは私にはまだ早いからっ!さ、先降りてるね!!」

「何が早いんだよ………。って、もう行ったし」


 もはや謎の豹変なんて忘れてしまったのか、いつもどおりの彼女はそのまま逃げるように全力疾走で部屋の外へ。

 取り残されたのは俺一人。コロコロ色が変わるしばらくぶりの彼女に懐かしさを覚えつつも、先程の謎キャラを思い出してようやく得た結論を小さく呟いた。


「…………高校デビューか?」


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