第17話

 僕とクレアがいた街が襲われ、その際に僕が謎の男を倒してから早いことでもう一週間。

 僕の倒した謎の男が噂のレジスタンスに加入したというすごい男だったのか、あの一件以来レジスタンスは半空中分解状態。

 急速に勢力を失っていくレジスタンスを相手にわざわざ僕が出向く必要などない。

 ということで僕が学園の方に戻ってきていたのだ。


「ふふっ、クレアちゃんは可愛いですねー」


「ふふん!当然、むふふ。サーシャもかわいいよ!」


「ありがとうございます」

 

 クレアと共に。

 レジスタンスの対処は終わったが、クレアの対処まで終わったわけじゃない。

 僕は変わらずクレアの面倒を見続けていた……まぁ、個人的に気になっていたとこもあったから良いけど。


「流石に学園の方にまでガキ連れてきて良いのか?」


「学園長の許可は得ているし、授業中は黙らせるよ。聞き分けは良いんだ」


 サーシャとクレアが仲睦まじい気に話している様子を離れたところから見ていた僕は隣にいるバースから向けられた言葉に答える。


「……まだあんなに小さいのにか?」


「特別優秀なんだよ」

 

 そう、クレアはちょっとばかり特別優秀なのだ。


「ほ、本当に問題ないのか?」

 

 僕とバースの会話を傍から聞いていたレイン先生が会話に割り込んでくる。


「えぇ。大丈夫ですよ」


「……そ、そうか。それなら良かった」

 

 そんな僕の言葉を聞いたレイン先生が安堵の声を漏らす。


「にしても、アリスは食いつかないんだな」


 そんなレイン先生にまるで興味を示さなかったバースは僕たちよりも更に遠巻きにサーシャと


「ちょっとリリスが子供苦手なのですわ。私もそこまで得意じゃないですし……クレアちゃんが悪いわけじゃないですけど、ちょっと、なんですわ」


「……」


「なるほどなぁ」

  

 アリスの言葉と顔を俯かせるリリスを見て納得がいったように頷く。


「余計なこと言って悪かったなぁ」


「そういうバースは子供はどうなんですの?」


「別に得意でもなきゃ好きでもねぇな。どーだって良い」

 

 アリスの言葉に対して素っ気なくバースは言葉を返す。


「多分だけどバースより今のクレアのほうが強いよ?」


「ぁ?」

 

 そして、そんな二人の会話に割り込んだ僕の言葉を受け、バースは目に強い力を意思を込めてクレアの方に視線を送るのだった。

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