第138話 ゴールド&シルバー&白!?

カインとラックが見守る中、三匹のスライムによる三匹会談が始まった。


「どっちも知ってるのが〜私だから〜紹介するね〜。ゴルちゃんとスズちゃんだよ〜。」


「僕はスズっす。よろしくっす。」


「あの、えっと、ワテは・・・ゴルと、言うでやんす。」


「ゴルちゃんは〜極度の人見知りだから〜、スズちゃんも〜気にしないでいいよ〜。」


「そうなんすね。逃げずに会ってくれてありがとうっす。今日はゴルちゃんに二つお願いがあって来たっす。」


「お願い・・・で、やんすか?」


「ゴルちゃ〜ん、スズちゃんの〜お願いを〜聞いてあげてほしいの〜。」


「・・・」


「そんなに難しい事じゃないっす。スズと友達になってほしいっす。僕はあそこにいるカイン様に召喚されたっす。シシルとは友達になったっすけど、シシルしか友達がいないんす。だからゴルちゃんとも友達になりたいっす。」


「友達・・・」


「よかったじゃ〜ん。ゴルちゃん友達作るの下手だから〜、私心配してたんだよ〜。」


「シシルちゃん。」


「ダメっすか?」


「ワテなんかと、友達になってくれるんでやんすか?ワテ・・・こんな喋り方やし、見た目もみんなと違う、はぐれものでやんすよ。」


「何言ってるっすか。それを言うなら僕だって。知ってるっすか?普通女の子は自分の事を僕って言わないらしいっす。私とか、アタシ、なんかが一般的で、僕みたいなのは僕っ娘って言って珍しいみたいっす。それに見た目を言うなら僕もはぐれものっす。はぐれもの同士仲良くしてほしいっす。」


「スズちゃん。」


「ゴルちゃん。」


「よかったね〜。私も友達が増えてうれし〜よ。」


「スズちゃん、そういえばもう一つのお願いってなんでヤンスか?友達として、ワテのできる事ならなんでもするでやんす。」


「本当っすか!!ありがとうっすゴルちゃん。実は僕等オリハルコンを探してるっす。ゴールドスライムからドロップするって聞いてるっす。だけど、ゴルちゃんを倒しに来た訳じゃないっす。ゴルちゃんは僕の友達っすから。ドロップ以外で手に入れる方法があったら知りたいっす。」


「オリハルコンでやんすか・・・。確かにワテが死ぬとオリハルコンがドロップするでやんす。痛いのはイヤでやんすが、ワテは死んでもすぐに生き返るから、スズちゃんのお願いなら聞いてあげてもいいでやんす。」


「すぐに生き返る?どういう事っすか?」


「私達は〜、このダンジョンの中で生きてるから〜、死んでもすぐに生き返るの〜。でも死ぬ感覚はあるんだ〜。」


「そんなのダメっす。生き返るって言ったって友達を殺すなんてできないっす。」


「「スズちゃん。」」


「ゴルちゃんを倒さないと手に入らないならオリハルコンは諦めるっす。カイン様もラック様もわかってくれるっす。」


「お役に立てなくてごめんでやんす。」


「ゴルちゃんが謝る事ないっす。」


「ゴルちゃんの〜一部を渡せば〜可能性はあるんじゃ〜。」


「シシル、どういう事っすか?」


「ゴルちゃんみたいに〜私も〜ちゃん付けで〜呼んでほしいな〜。」


「どういう事っすか?シシルちゃん。」


「ワテの身体はオリハルコンとか金とかの合金なんでやんす。伸ばした身体の一部を切り離せば、素材として使えるでやんす。だけど、色々混ざってるから純粋なオリハルコンではないでやんす。」


「ゴルちゃん。ちょっとカイン様に聞いて来ていいっすか?もしかしてなんとかなるかもしれないっす。」


スズはゴルちゃんとシシルちゃんの元を離れて、カイン達の元に向かった。そして、先ほど話した内容をカイン達に伝えた。


「カインのスキルを使えばなんとかなるにゃ。」


「本当っすか!?」


「ああ、錬金術を使えばオリハルコンを分離できるはずだ。俺達にもゴルちゃんを紹介してくれるか?」


「もちろんっす。」


そして・・・


「まさか本当にオリハルコンが手に入るとはな。」


カインの錬金術により、ゴールドスライムを倒さなくてもオリハルコンを入手できたのだった。


(それにするしてもこんな所で、関西弁をきけるとは。いやワテは関西だろうけど、やんすは違うか?江戸時代訛り?なんにせよどこでそんな言葉を覚えたのかすごくきになるな。それに、最後にゴルちゃんの言ってた事も気になる。まあエクストラステージに行けば謎は解けるんだろうけど。)


オリハルコンを入手し、ゴルちゃんとシシルちゃんと別れる間際にゴルちゃんが言った一言だった。


「スズちゃんって、リンさんと同じ神のペットでやんすか?」


当然スズも何を言っているのか分からなかったが、黄亀ダンジョンを管理しているスライム林太郎は、スズと同じ白いスライムらしい。


そしてスライム林太郎一家は、見た目の可愛らしさと、プニプニの肌で、神のペットと呼ばれているとの事だった。


「黄亀ダンジョンを攻略すればわかるさ。友達もできてよかったな、スズ。」


「はいっす。」


(神のペットか・・・絶対スズの神の祝福の、ゴッドノペットと関係あるよな。)


黄亀ダンジョンに行った時には、会う約束をし、カイン達は、依頼達成の報告をする為にダンジョンを出て、ギルドへと向かうのだった。

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