第137話 友達お願い作戦
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もうすぐクリスマス。いつまでもクリスマスプレゼントがほしい作者は考えました。
与えて欲しければ先に与えるのだ・・・と。
という事で、25日まで一日3話投稿します。12時、16時、20時投稿です。
プレゼントは☆☆☆が・・・おっと心の声が・・・
お楽しみくださいませ。」
※※※
「ダメだったっす。」
「ああ、さてどうしたもんかな。」
「こっちが話しかけても、向こうが無視なら難しいにゃ。別の方法を考えるしかないにゃ。そうにゃ!カインが転移魔法でゴールドスライムの側まで移動して押さえつけるにゃ。」
「それはいい考えっす。」
「いやそれは無意味だと思う。抑えた所で消えるのを止めるのは難しいと思う。」
「ならどうするにゃ?」
「会話ができるまでやるしかないだろ。」
(そうだよ。スライムが出て来るゲームだって根気よく大量経験値のスライムを何度も何度も倒しただろ。チートがあっても裏技なんてないんだ。正攻法で同じことを繰り返す。成功するまでチャレンジしたら失敗はない。あきらめたらそこで終わりだろ。)
「あきらめたらそこで試合終了だ。」
「カイン?」
「ラックはこの意味わかるだろ?」
「もちろんにゃ。終了間際の逆転&MVPにゃ。スズ、あきらめたら試合終了にゃ。ゴールドスライムの場所を調べるのに銀色スライムを探すにゃ。」
「なんともやる気が出る言葉っす。僕もやるっす。」
やる気の出る恩師の言葉を胸に、カイン達は、再度ゴールドスライムに出会う為に銀色スライムを探した。
地下37階、地下36階、地下35階と進んで行くが、銀色スライムとは出会う事が出来なかった。これはある種呪いにでもかけられたのかと思っていると、
「カイン!これ隠し部屋への入り口じゃないかにゃ?」
銀色スライムに、ゴールドスライムのいる場所を聞いていないのに、ラックが運良く隠し部屋への入り口を見つけたのだ。
「ナイスだラック。さっきと同じようにスズはゴールドスライムに話しかけてくれ。」
「わかったっす。」
隠し部屋に突入すると、スズは早速話しかけた。
「ゴルちゃん。話しを聞いてほしいっす。僕はスズって言うっす。シシルからゴルちゃんの事教えてもらったっすよ。逃げないでほしいっす。」
「シシル・・・」
一瞬、成功したかと思ったが、次の瞬間、ゴールドスライムは、姿を消した。
「ダメだったか・・・」
「でもシシルって言ってたにゃ。」
「ああ、俺も聞こえた。もしかしたらゴールドスライムはシシルに会いに行ったのかもしれないな。階段を上がればシシルのいる地下34階だし、行ってみるか。」
⭐︎⭐︎⭐︎
「ゴルちゃんなら〜、さっき会ったよ〜。スズの事聞かれたから〜、友達だよって言っといたよ〜。」
地下34階に上がり、シシルを探したカイン達はシシルを見つけると、念の為逃げないように逃げ道を塞いで、スズが話しかけた。
カイン達の予想通り、ゴールドスライムはシシルに会いにきたようだ。
「本当っすか?それで、ゴルちゃんは今どこにいるっすか?」
「今はこの階にいるよ〜。」
「シシルはゴルちゃんの友達なんすよね?」
「そうだよ〜。」
「よかったら僕達と一緒にゴルちゃんに会いにいかないっすか?」
そう、これが今回のカイン達の作戦だった。仮にゴールドスライムがシシルに会いに来ていた場合、シシルを連れて行けば、ゴールドスライムは逃げないのでは、と考えたのだ。
もちろん懸念はある。シシルと一緒に行った場合、ゴールドスライムを倒すという行動は100%なくなる。オリハルコンは、ゴールドスライムを倒したら現れるドロップなので、倒さずに手に入るかどうかはしょうじきわからない。
だが、このままでは、ゴールドスライムと戦闘になる事もないのが現実なので、友達お願い作戦へと舵を切ったのだ。
「え〜。どうしよっかな〜。」
「シシルの友達のゴルちゃんを僕に紹介してほしいっす。僕もゴルちゃんと友達になりたいっす。」
「しょうがないな〜。わかった〜。ゴルちゃんを紹介してあげるよ〜。」
「ありがとうっす。」
カイン達は銀色スライムのシシルを連れてゴールドスライムの元へ向かった。シシルはスピードが早すぎて、歩幅が合わないので、今はカインの頭の上に乗っている。
スズのようにプニプニではなくカチカチな為、カインの表情は優れない。
「まだか?そろそろ頭が痛くて重くて限界なんだが・・・。」
「キュキュキュ。」
「もうすぐだって言ってるにゃ。」
「いやいやそれ適当に言ってるだろ?シシルの言葉わからないって言ってたじゃん。」
「そこはフィーリングにゃ。」
「シシルはもうすぐって言ってたっすよ。」
「あっ見つけたにゃ。」
「うそっ!?」
ラックの指摘通り、隠し部屋への入り口を見つけたカイン達は、シシルがカインの頭から飛び降りて中に入って行った。
シシルを追いかけていった先には見慣れた部屋、そして金色に光るスライムがいたのだが、いつもと違うのは、その隣にシシルが並んでいた事だ。
「スズ、頼む。」
「わかったっす。」
「アタシ達は行かなくていいのかにゃ?」
「ああ。ゴルちゃんの言葉はわかるかもしれないけど、シシルの言葉はわからないからな。ここはスズに任せるさ。」
そうして、金色スライムのゴルちゃん、銀色スライムのシシル、白色スライムのスズによる三国会談ならぬ、三匹の集まりが始まったのだった。
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