第107話 寄付金額1000万ガル突破!!【女神編】

「遅れていた振込が完了したとの報告がありました。」


「本当!?早速見てみるわ・・・振り込まれてるわ。8,290,000ガルと16,580,000ガルの二つが。合わせて24,870,000ガル!?一気に大金持ちね。ヤッタわ。ふふふ、これで今度は何をしようかしら?」


「ご利用は計画的にした方が良いのではないでしょうか?今回の入金に関しても前回からけっこうな日数が経っています。次回の入金も当分先になると思いますが?」


「そんな事わかってるわ。だけど、お金は使わないといけないのよ。使う事で経済が回るの。貯め込み厳禁なのよ。」


「現金だけに、厳禁ですか・・・おもしろくないですよ。」


「そんな事わかってるわよ。でもシルヴィア?そんな事言ってると温泉にもテーマパークにも連れて行かないわよ?」


「それは失礼いたしました。」


カインの寄付によって、大金が振り込まれた女神は、お供のシルヴィアとともに今回のお金の使い道を考えていた。女神はカインを異世界に転生させたのは、このようにカインが寄付をする事によって、自分の資金を増やす為だ。まあ他にも色々と目的はあるのだが・・・


「とりあえずテーマパークの年パスは2人分購入しましょ。最近CMも頻繁にやってるし持っていても損はないでしょ。あそこは頻繁にアトラクションも更新されるし月に一回遊びに行っても良いと思うわ。あっそれなら、関西に拠点を一つ持っておいても良いかもしれないわね。なんせ今の私は大金持ち。マンションの一つや二つなら持っても大丈夫だわ。」


「女神様。遊んでばかりいたら怒られますよ?」


「遊びじゃないわ。市場調査よ。だから怒られる理由が全くないわ。シルヴィアだってわかってるでしょ。私がテーマパークで絶叫マシンに乗っても、映画館でポップコーンとジュースを飲んでもちゃんとカインの事を考えてるって。」


「まあ・・・そうですね。たしかに神の奇跡に関しては、女神様の市場調査という名の日本での遊びが元になっているので、そう言われればそうかもしれません。」


カインの神の奇跡の内容は、女神が決めている。今までの神の奇跡の内容を振り返れば、アニメを参考にしてるのがよくわかるだろう。その為、次の神の奇跡の内容を決める為に市場調査という名の元に日本で遊んでいるのだ。


「でしょ。なら次はどこに行くのがいいかしら?」


「年末にはコミックマーケットがありますから、それに行くのはどうですか?」


「コミケね。たしかにあそこは面白そうね。同人誌なんかはアニメを元に作ったモノも多いし、それにコスプレも見ていて楽しいわ。どうせなら私とシルヴィアもコスプレして参加しても良いかもしれないわね。」


「それはいいですね。おもしろそうです。そういえば女神様がカインに与えている神の奇跡ですが、すでに様々なチート能力を授けてますが今後の方向性はどのようになっているのですか?方向性がわかればそれに対応するアニメを私の方でも探してみますが?」


「それがまだ決まってないのよね。カインとラックの話を聞く限りじゃ、転移魔法とか新しい仲間とかが要望らしいけど、望んでいるモノを与えるのは面白くないじゃない?それよりかは二人が驚くようなモノの方がおもしろいと思うのよ。もちろんガッカリさせるわけにはいかないから、それなりに能力も使えるヤツじゃなきゃダメよ。」


「それは難しい注文ですね。」


「でしょ。だから市場調査がこれからはより大事になるのよ。アニメのイベントや新作アニメのチェック、書店で売れ筋のチェックにテーマパークに行ったり、他のアニメ好きと交流するのもいいわね。調べるのにもお金がかかるでしょ。2000万あったってすぐよ。」


「たしかにそう考えると、お金はいくらあっても足りませんね。」


「でしょ~。日本だけじゃなくて他の国の情報も調べないといけないから大変よね。そうだわ!旅行よ。シルヴィア。急いで楽々天々で手配して。世界一周旅行よ。移動手段はそうね・・・船が良いわ。移動中も海を見ながらゆっくりアニメ談義ができるし、それぞれの国にもアニメのモデルになった場所とかがあるでしょ。二人で500万も払えばそれぐらい行けるでしょ?」


「・・・わかりました。ですが女神様。世界一周旅行にそんなにお金を使うと、貯金がなくなります。」


「何言ってるのよ?500万使ったってまだまだ残ってるでしょ。」


「お忘れですか?女神様は大金を狙ってカジノで大負けしたのを・・・。振り込まれたお金は借金返済に宛てましたよ。残高を確認してみてください。」


女神はシルヴィアにそう言われ、先ほど2400万以上あった口座の残高を確認した。するとそこには・・・5,003,001と書かれていたのだった。


「どういう事!?私のお金が一気に減ってるわ。借金返済?そんなの踏み倒しなさいよ!私は女神よ。私からお金を取ろうっていうの?」


「女神様!?それはざまあされる側のよくあるセリフなので止めた方がいいですよ。それでどうします?世界一周旅行行きますか?行くと残高は3001ガルになりますが?」


「・・・一旦保留にするわ。」


「わかりました。」


そうして、女神とシルヴィアは次の神の奇跡に関してあーでもない。こーでもない。と、世界一周を優雅に楽しみながら船の上で談笑するのではなく、特番のアニソン番組を見ながらコタツにミカンという庶民的な感じでアニメ談義を続けるのだった。


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