第81話 新しい神の奇跡Mを開放しよう
明日王都に向かう事を決めたカインとラックは、シフォンの町で最後の買い物を楽しんでいた。
「何回も買いに来たけど、やっぱりプレーンが一番安定だな。」
「他にも色んな味があるのに3個ともプレーンにするなんてカインは変わり者にゃ。せっかく3個選べるんだから三種類選ぶのが普通にゃ。」
「いやいや。今度いつこれるかわからないんだ。定番の味を持ってた方が安心だろ?持ってたシフォンケーキは昨日のお祝い会で全て食べちゃったからな。」
「たしかにここのシフォンケーキが食べられないのは悲しいにゃ。でも今日の神の奇跡でカインが転移魔法を使えるようになればいつでもこれるにゃ。」
「はいはい。それは又、教会に行った後に話すから今は先に必要なモノを買うぞ。」
「わかったにゃ。メインイベントは後のお楽しみに取っておくにゃ。カイン?食料は昨日買ったにゃ。次は魔道具屋に行ってみるにゃ。旅に便利なモノがあれば助かるにゃ。ダンジョンとは違って、道中の夜営が心配にゃ。すこしでも快適に過ごせるモノがあれば助かるにゃ。」
「たしかにそうだな。どうしても途中で何度が夜営する必要があるもんな。魔物避けぐらいならありそうだけど、盗賊には効かないもんな。誰かが近づいてきたら大音量で知らせる魔道具なんかがあればいいかもしれないな。後は一人で見張りしてるときに時間をつぶすようなモノがあれば俺は助かるかな。まあ魔法の練習とか刀の訓練してれば時間は潰せるけど。」
「カインの気配察知は効かないのにゃ?範囲も広がったって言ってたにゃ。」
「たしかに今は50mぐらいまでなら反応はわかるけど、さすがに寝てる時は発動しないからな。二人とも寝てる間にいつの間にか死んでたとか洒落にならないもんな。わかった。何か良さそうなモノがないか探してみるか。」
その後、雑貨や魔道具屋を周って色々探してみたが、夜営に便利そうなアイテムは見つからなかった。しょうがないので、交代で見張りをして過ごす事を改めて決めて、本日のメインイベントの教会へと向かった。
そして、教会でアイテムボックスから金貨300枚を取り出して寄付箱へと放り投げた。
(女神様。今回は300万ガルをドンと寄付します。王都に行けばもっとお金は稼げると思います。ちゃんと今後も寄付を続けますので、どうぞよろしくお願いします。)
『寄付金額が4,096,000ガルを突破しました。神の奇跡Mが開放されます。』
(ようやくこれで13個目か・・・丁度半分だな。神の奇跡はどれも必ず俺の生活の役に立っている。いやうまく活かしてるモノもあるか。これのお陰で死なずに入れてるって部分もある。今回はどんな凄い神の奇跡なのか今から楽しみだな。)
「新しい神の奇跡は開放されたかにゃ?」
「ああ今回で13個目、丁度半分だ。」
「もう13個も開放したのかにゃ。時間が経つのは早いのにゃ。」
「ホントそうだな。」
「さあ早く帰ってメインイベントを始めるにゃ。」
そう言って、スキップしながら宿に向かうラックの後ろ姿を眺めながらカインは後を追った。宿に戻った二人はメインイベントの為、食事をして、身体を拭いて、寝る準備を万端にしてからベットにすわった。
「よし、それじゃあメインイベントに行こうか。まずはラックから、今回はどんな神の奇跡だと思う?」
「さっきも言ったにゃが、転移魔法が良いにゃ。転移魔法があればフロリダに行ってリンゴも食べられるし、シフォンに行ってシフォンケーキを買う事もできるにゃ。それにフロリダでシルにいつでも会えるし、シフォンでミラースやイースにもいつでも会えるにゃ。」
「たしかにな。毎回毎回転移魔法は予想に挙げてるけど、いまだに来てないもんな。そろそろ来てもおかしくないけど、よくよく考えたら今回のを含めて神の奇跡は14個あるから、そのどれかで来るって考えてる確率的に低いよな。」
「ちなみに今回は戦闘民族君Ⅲだと思うにゃ。Ⅱが来たならⅢもあるはずにゃ。それにこの世界の女神様は絶対あのアニメが好きにゃ。」
「それは俺も思った。そうだよな~。それにラックは前回の神の奇跡を当ててるから期待はできるな。」
「カインは今回何だと思うにゃ?」
「そうだな・・・俺は今回野球アニメが来るんじゃないかと思ってる。」
「野球アニメにゃ?」
「ああ。日本が生んだ大スターがアメリカで投手とバッターの二刀流で大活躍してたんだよ。だからアニメでも野球は外せないかなって。それで俺は考えたんだ。じゃあ野球がどんなチートにつながるんだって。そこで思いついたんだ。野球と言えば双子の主人公の弟が死んで兄が変わりに甲子園を目指すアニメか。Hが2つある同じ作者の甲子園を目指す野球アニメ。どっちにもペットとして犬が登場するんだ。その犬から結び付けて、異世界定番のフェンリルが仲間になるっていうのはどうだろう?」
「かなりのこじつけにゃ。でも方向性はあり得るにゃ。だけど犬はダメにゃ。アタシは犬が苦手にゃ。」
「いや犬じゃなくてフェンリルって狼なんだけど・・・」
「どっちも同じにゃ。だからカインの予想は却下にゃ。」
「いやでも、仲間が増えたら冒険も・・・」
「却下にゃ。」
ラックに食い気味に否定されたカインは・・・
「はい。」
自信の予想を瞬間であきらめた。そうして予想タイムが終わり、カインは自分のステータスを確認したのだった。
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