第66話 これは運が良いのか悪いのか・・・
新しく開放された神の奇跡は、なんとステータスを確認する前にラックが予想していた大海賊が海の大秘宝を目指すアニメだった。予想が見事的中したラックのテンションは高いが、能力まではまだわからないとカインは冷静だった。
「ラックの予想なら、料理人系のチートだったよな?」
「そうにゃ。これで内政チートまっしぐらにゃ。」
「だけど、料理人系以外にも可能性のあるチートは多いだろ?」
「例えばどんなのがあるにゃ?」
「さっきも言ったけど主人公がギアを一段上げるみたいに身体強化もギアを一段上げるとか、天候を操る女性のように雷が使えるようになるとか、魚人のように海に入っても息ができる・・・っていうのは無理があるか。なんせ地震を起こしたり、敵を石化させたり、不死鳥になって空飛んだり、敵をノロノロにしたり何でもありなアニメだからな。」
「能力者が多くて困っちゃうにゃ。もう早く詳細を確認するにゃ。もう待てないにゃ。」
「わかったよ。」
(予想が当たったから早く確認したいんだな。まあ確かにその気持ちはわかるし早速確認するか。)
L『海賊王の大秘宝君』
いわずとしれた大海賊時代を生きる海賊達の物語。腕が伸びたり、部分的に大きくなったり、覚醒したりと仲間とともに強くなる主人公はとても大人気だ。ナイスバディなヒロインも多いが、ここはあえて能力を持っていない剣士に注目したい。要は刀術極のスキルが身に付くよ。
追伸・・・三刀流はさすがに無理があるから、代わりに黒刀を一本用意します。すでに剣を購入されてるお客様には申し訳ありませんが、こちらをお送りいたしますので、クレームなどはご遠慮願います。 女神より
「すごいにゃ。女神様からメッセージもついてるにゃ。それに刀もくれるって太っ腹にゃ。」
「ああ・・・そうだな。」
(俺が今日、能力Bの剣を買ったのをどこかで見てたのかな?タイミングが悪いと言えば悪いな。例えば先にこれがもらえるとわかっていれば、剣を購入する事はなかったから金貨50枚はまるまる余った。それを寄付にまわす事もできたもんな。それもあってメッセージを送ってきたって事か。という事は俺の行動って見られてるのか・・・まあそりゃそうか。どれぐらい寄付するか気になるだろうからちゃんとしてるか見るのは普通だな。なんかちゃんと仕事してるかチェックする上司みたいだな。)
カインは刀が入ってると思われるアイテムボックスを確認した。すると案の定、刀が入っていたので、それを取り出した。
「鞘から出すと、片刃で真っ黒な刀だった。」
「真っ黒にゃ。黒刀は知ってるな。頑丈なのが取り柄なはずにゃ。」
(たしかにアニメではそう言ってたな。それに刀術極か・・・剣の扱いには慣れて来たけど、ここでこのスキルはありがたいな。やっぱり日本人なら刀だよな。初めてもったけど、城とか言ったら見たりしたもんな~。それにけっこう使い勝手もいいんだよな。飛ぶ斬撃だったり、鉄をも切り裂いたり。)
「そうだな。剣を買っちゃったのはもったいなかったが、折角もらったんだ。ありがたく使わせてもらうとしよう。」
「カッコイイにゃ。飛ぶ斬撃を見た事あるか?って言って剣から斬撃を飛ばしてほしいにゃ。」
(ラックも俺と同じ事思ってる!?まああのシーンは有名だからしょうがないか。)
「まあそれは明日からのダンジョン攻略で色々試す必要があるな。でも斬撃を飛ばせるなら攻撃の幅が広がるな。魔力を消費しないで済むのも助かる。だけど使いこなせるかはまだ微妙だな。さっき能力を見た時にも思ったけど、俺って敏捷力だけがCだったからさ。やっぱ刀使うなら早い方がいいだろ?縮地とか使えたらかっこいいじゃん。」
「たしかに刀を使う主人公はみなスピードも速いにゃ。十字の傷を持つ男なんか特に早いにゃ。縮地の相手にも速さと破壊力で勝ってたにゃ。でもカインは毎回毎回いろんな能力がもらえてずるいにゃ。アタシもチートがほしいにゃ。」
(まあラックの気持ちもわからんではないが・・・でもすまん。これは俺の転生特典と言う事で納得してくれ。ダンジョンから帰ってきたらシフォンケーキ買うからさ・・・)
「ラックだって十分強いんだからいいだろ?刀はないけど、縮地とかならラックだって使えそうじゃん。すでにメッチャ早いんだから。」
「そうかにゃ?んにゃ。たしかにそうにゃ。よしにゃ。縮地練習してみるにゃ。」
(チョロい・・・)
「俺も慣れるまでは練習したいから、明日はゆっくり進むようにしようか。食料は用意してるしどれだけダンジョンで泊まっても大丈夫だしな。それに地下10階までいけば地上に戻れるからずっと籠りっぱなしって訳でもないだろうから。」
「わかったにゃ。カインも練習すれば龍系の剣術が使えるようになるはずにゃ。9か所を一気に着く、師匠の得意技をマスターするにゃ。」
(あれは別のアニメだろ・・・。)
そうして、新しい神の奇跡を開放したカインとラックは、明日からのダンジョン攻略の準備と、刀を使うアニメについて夜遅くまで語り合うのだった。
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