1枚の金貨から変わる俺の異世界生活。チートを得る為に必要なのは金！？今日も女神様に貢ぐ為に俺は金を稼ぐ！

第2話 1枚の金貨で人生が変わる⁉

「あ・・・金貨が・・・」

教会へのお祈りは毎日行っているが、寄付をしたのは今日が初めてだった。なぜなら普段はその日の食事代しか持っていないからだ。寄付はお金に余裕がある人がするものだと思っていたので、カインは臨時収入があったし、銀貨1枚寄付しても、金貨1枚と銀貨2枚あれば十分だと思っていた。

「そんな・・・折角の豪華なご飯が・・・」

カインはお祈りするのも忘れて、しばらく放心状態になっていた。カインの事を変な目で見ながらお祈りをしては、戻って行く他の人々。

（とりあえずお祈りするしか・・・ないか・・・は～僕の金貨が・・・）

カインは両手を合わせて神に祈った。

（初めて寄付しました。銀貨を寄付しようと思いましたが金貨を寄付してしまいました。神様・・・僕の事助けてください・・・）

カインの願いが通じたのか、カインの頭の中に声が聞こえた。

『寄付金額が8,000ガルを突破しました。神の奇跡A、神の奇跡B、神の奇跡C、神の奇跡Dが解放されます。』

「えっ・・・」

その瞬間、カインには膨大な量の知識、記憶が流れ込んできた。

（これは・・・思い出した！！そうだ僕は転生したんだ。なるほど。転生ってこんな感じなんだ。それにしても10歳か・・・もっと早く思いださせてくれてもいいのに・・・神様もケチだな。多分俺が寄付するのが前世を思い出す条件だったんだろうな。それにしても10歳にしてようやく寄付ができるって俺どんだけ貧乏なんだよ。それに能力最低って俺にどうしろって言うんだよ。たしかに転生特典はくれるっていってたけどそれにしてもひどすぎだろ・・・）

1枚の金貨を寄付し、お祈りをした事でカインは前世の記憶を取り戻した。

（とりあえず、神に奇跡はA～Dまで開放されたから何をくれたのか確認しないとな。この世界じゃ誰もわからないはずだよな～アルファベットなんて・・・神の奇跡Dっていうぐらいだから合計で26個の何かをくれるって意味だよな。それにしても能力値やギルドランクでAとかEとかあるのにアルファベットの意味知らないってどんな異世界だよ！！いやいや今更言ってもしょうがないか。神の奇跡を確認したいけど、それって教会やギルドにいかないと見れないのか？転生者特典でステータスを確認できたりしないのか？ステータスオープン。！？って見れたよ。）

カインの前には半透明の板が現れた。そこには・・・

名前：カイン

年齢：10歳

種族：人

神の祝福：アルファベット（寄付金額10000ガル）

神の奇跡：A『如月花院君』、Ｂ『名探偵君』、Ｃ『戦闘民族君』、Ｄ『未来の猫ロボット君』

能力：Ｅ

成長率：ＳＳ

（ステータス見れるじゃん！！え～っと何々、神の祝福に神の奇跡、能力は相変わらずのＥ判定・・・だけど成長率はＳＳになってる。これは神の奇跡によるものだろう。神の奇跡は色々突っ込み所満載だけど、ここで色々考える事じゃないな。腹も減ったし飯食ってから考えるか。）

カインは教会を後にして、いつもの飯屋に来ていた。

「カイン。今日もＡセットでいいのかい？」

「今日はＢセットにするよ。はい銀貨1枚ね。」

（Ａセットは固い黒パンに野菜スープ。これで銅貨5枚って高いだろ！？500ガルって500円ぐらいだよな？それにＡセットって、まんまアルファベット使ってるのに、なんでアルファベットの意味を誰も知らないんだよ・・・）

Ｂセットは、固い黒パンにシチューにサラダが付いていた。シチューと言っても肉は入っていない。芋に野菜を煮込んだものだった。

（Ｂセットなら食べられない事もないな。黒パンが固いからシチューに浸すけど、シチューは味が濃いから中々いけるな。肉が欲しい所だけど肉はＣセットからだもんな。Ｃセットは銀貨1枚に銅貨5枚1500ガル・・・今の俺には高いな。）

食事を終えたカインは、いつものように家に戻り、井戸から組んできた水を被り身体を洗って行く。

（は～。異世界ってこの辺がやばいよな・・・風呂もないしトイレにも洗浄機能がついてない。内政チートをしたがる理由がわかるな。今はまだ温かいから水でもどうにでもなるけど、寒くなったらどうするんだこれ？無理すぎるだろ。）

「さ～て、お待ちかねのステータス確認タイムだな。」

カインは、教会で見たステータスを再度自分の前に表示させた。

「あの時は他の人もいたけど、この画面に気付いている感じはなかった。きっとこれは俺にだけ見えるんだろうな。とりあえず神の祝福から見ていくか。ポチッとな。」

カインが神の祝福欄をタップすると、神の祝福の詳細が現れた。

神の祝福：アルファベット（寄付金額10000ガル）

※寄付金額によって神の奇跡を取得できるギフト。

　神の奇跡はＡ～Ｚまで。

　現在10000ガル。

　次回16000ガル。

「寄付金額が増えれば神の祝福がもらえるようになるんだな。この辺りは神様が言ってた通りだな。それにしても次回16000ガルか・・・この数字はどこから来てるんだ？Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄで、1000、2000・・・なるほど、倍になったらいいのか。」

カインの予想通り、神の奇跡は寄付金額1000ガルから始まり、倍の額の寄付をする事で次の神の奇跡がもらえるギフトだった。

神の奇跡Ａ・・・1000ガル

神の奇跡Ｂ・・・2000ガル

神の奇跡Ｃ・・・4000ガル

神の奇跡Ｄ・・・8000ガル

神の奇跡Ｅ・・・16000ガル　という感じだ。

「今はまだいいけど、増えていくとかなりの額にならないかこれって。神様も強欲だな～。パソコンか電卓があったら計算できるんだけど、さすがに暗算で計算はできないな。まあ言っても仕方がないんだ。考えるの後にしよう。それよりも次の神の奇跡だな。」

そういって、カインは神の奇跡の欄をタップしてステータスを確認していった。