短編集

薬研軟骨

嫌われ者の私

初めまして、私は八木。

私は嫌われ者です。

生まれた時からそうでした。

生きているだけで人を傷つけてしまうと。

私なんていない方がいいのだと。


残り少ない私の生涯を憐れむことなく人々は私を嫌い、恐れ、姿を隠しました。

私は三日三晩泣きました。号泣を続け、ヤケになった故に暴れました。

木々を倒し、川を荒らし、山を崩して土砂崩れまでも起こしてしまいました。


反省する間もなく、私の命は尽きようとしています。嗚呼、人間。今回ばかりは少しやりすぎたかもしれなかった。また会えるなら、次は、歓迎を______...。




「___今回の大型台風は、日本に甚大な被害をもたらしました。専門家は......__」



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