第216話 女神シルフィー(4)

 その後はお互いが顔を見合わせ始める。


 そして少し間が開けば。


「今のあの集落で長の下知に耳を傾ける者など誰もいないよ。なぁ、皆?」


「うん」


「ああ」


「政務の方も女王の代わりにシルフィーさんがしている」と。


 みなが小声でボソボソと呟くから。


「何で?」と。


 僕が呻るように尋ねれば。


「何で、ッて、俺達が男王に聞かれても……。長が集落内で孤立したのは、自身の夫……。男王を集落から追い出したのが原因だから」と。


 僕ににへらと笑いながら説明をしてきた。


 それを聞き、僕は。


「あの集落を飛び出たのは僕の意志だ! それに僕はウォンと再度、アイカを賭けて争い負けたんだ! だからアイカは、勝利者のウォンへとやった。だからあの集落の女王はアイカがすればいいし。男王はウォンがすればいいじゃないか。元々二人は恋人同士で婚約者だった訳だし。それを僕がウォンから寝取ったようなものだから」と、荒々しく告げる。




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