第58話 謀反の終焉(4)

 でもね、エリエは、シルフィーから、一族の濃いい血の結束のことを指摘されれば。


「長は、血の結束を大事にするのかも知れないが。この男は全く大事にしてはいないではないか? ウルハやサラ。その他の者達の顔や身体を見てみれば分る通りだ! 顔や殻中が赤く腫れあがっているか、青痣だらけだぞ! これを見て、血の結束が聞いて呆れる」と。


 エリエがシルフィーの話しを聴き、ケラケラ嘲笑うと。


「エリエ、でもね。最初にわらわに楯突いたのはウルハと家のひとなのよ」と。


 アイカの奴はエリエへと、最初に自分の下知を却下したのはウルハだと説明をした。


 だからウルハの口が直ぐに開き。


「はぁ~! アイカ、お前が、家のひとへと酷い事した者達を庇うからだろう!」


「そうだ! そうだ! ウルハの言う通りだよ! アイカ姉!」


「えぇ、私も健太さんの様子を見たけれど」と。


 滅多と怒ることがないプラウムが、僕を苛めた奴等……。


 そう、最終的に、同じ異性である僕を性的対象にして酷いことをおこなった者達へと視線を変え、睨みつつ。


わたくしの夫を自らの欲望の捌け口に使用したあの者達を許す気は御座いません! アイカ姉さまとお母さま……。それをアイカ姉さまが黙認したなんて、気が触れているとしか思いません」と。


 プライムは最後にアイカとシルフィーの二人に対して憎悪を含んだ目で睨みつけたらしい。


 だからアイカは慌てて視線を外し、申し訳なさそうな顔をしたらしいけれど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る