第28話 言い訳(2)

「アイカー! 何がこいつらとの争いをやめろ、だあっ! いい加減にしろ!」


 だからウルハがアイカに対して直ぐに悪態をついた。


「アイカ姉ー! ウルハの言う通りだよ! サラも怒っているから! こいつらはみなごろしにしてやる!」


 サラは姉のアイカに、自身の決意を告げた。


「そうだ!」


「そうだ! そうだ!」


「姉さんやサラの言う通りだ!」


「こんな奴等、みなごろしにしてやる!」


「絶対に許さない!」


 だから、その他の奥さま達も、男達の方が人数が多くても、男王である僕……と言うか?


 夫である僕の威厳を取り戻すのだと意気揚々、士気の方も更に上がったから。


 奥さま達は更に男達を殴る、蹴る、と言った行為に力が入る。


「アイカー! あんたも、うちらの行為を止めるんじゃなくて。うちらに加担をしな! そしてこいつらを殴り殺してやりなぁっ!」


 ウルハがアイカに、僕のために手を貸しなと告げた。


「アイカ姉ー! ウルハの言う通りだよぉっ! こいつらは健ちゃんに対して大変に酷いこと。行為をおこなったんだ。だからサラはこいつらのことを絶対に許さない! 一人残らず殺してやる!」


 するとサラもこの通りだよ。


 アイカ対して手を貸し、直ちに参戦するようにと告げる。


 だから男達の方から。


「えっ!」


「嘘?」


「冗談だろう?」


 自身の顔色を変えながら、慌てふためいたと思う?


 だから救援に駆けつけてきた男達は。


「お前等、男王に何をしたんだ?」


「お前等が何もしていないのに、急にウルハ達に襲われたと言った話しじゃなかったのか? 俺はそう聞いて駆けつけてきたのだけれど……」


「俺もそう聞いた」


「儂、もだ」


 あの集落の酋長であり、長でもあるアイカまでもが。


 この内戦に参戦するかも知れないと悟った男達の方は不仲になり。


 奥さま達の殴りを辞めた。


 男同士で言い争いや罪のなすり合いを始めだした。


 だから僕が原因で起きた内戦の方はここで終焉──収まる様子を見せ始めた。


「……でも俺達は、酋長が……」


「長が……」


「あいつの事を好きにしろと言ったから……。なぁ、皆?」


「うん」


「言った……」


「あの、チビが女に対して見境ないから何とかしてくれと言ったら。酋長が、自分が諫めても、家のひとは効く耳もたないから。自分達の気が済むようにしろと言った……。なぁ、皆?」


「うん」


「ああ」と。


 僕を虐め続けた男達が、自分達を責める男達へと説明をし、頷けば。



「はぁ、アイカ! どう言う事だ、今の話し?」


「アイカ姉! 一体何を考えているの?」


 ウルハとサラの二人が、自身の顔色を変え、慌てて尋ねた記憶がある。


 だから集落が出来て以来の、初の内戦は、未だ終焉を迎えず、みなが予期せぬ方向へと続く。



 ◇◇◇



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