僕が理不尽召喚された場所は密林のジャングルで。嫁はオークの酋長でしたが。武も魔も無い僕だからNTRされちゃったけれど、挫けずに頑張ります!

かず斉入道

第0話 序章

「あっ、あん、ああぁ、あ、ああ……」

「はぁ、はぁ」


 僕の煩悩を刺激する男女の荒々しい息遣い、声音……。


 そう大変に優艶な声だから嬌声と言う奴だと僕は思う?


 まあ、そんないやらしい声が、またタイミングよく、鳥のさえずりに交じり、僕の耳へと急に入り込んできたから正直驚いた。


 だってこの辺りは僕が住んでいる集落からも多分かなり離れた距離にある場所だと思う。


 そう家のお妃さま達や集落の人達が絶対に、僕のような大人者は、足を踏み込んではいけない場所だと注意を受けた場所でね。


 僕自身もこの場所へと果物を探索するためにくる途中で日本のイノシシによく似た獣……。


 まあ、家の神殿の裏庭に僕が作った畑──。そこによく畑を荒らすために現れるモンスターを今僕が腰に下げるナタで二匹も倒さないといけないぐらいの未開の地へと僕は踏み込んだみたいなのだ。


 なのに? そんな未開の地で男女の嬌声が僕の耳へと聞こえできたと言うことは多分? この辺りで男女が他人にばれないように秘密の逢引きをしていると言うことになるのかな?


 それとも互いが彼氏、彼女または夫、妻で仲良くピクニックデートをしているだけかも知れない。

 もしもそうならば、ピクニックデートの最中にお互いが、自分自身の身体が火照りムラムラしてきたから優艶に仲良く、を始めだしたのかも知れない?


 まあ、こんな自分自身の都合のよいことを思案する僕だけれど。


 う~ん、実はね?


 男女の嬌声の中に何故かこの僕のことだろうな~? と思える会話がね。

 それがさぁ、この僕のことを褒め称える会話ならばこの場所を素早く立ち去ろうと言った配慮も可能なのだが。二人の男女の密談が完全にこの僕のことを中傷する内容……。


 そうこの辺りの領地の男王である僕のことを嘲笑いながら侮る、聞き覚えのある男性の声音と。その男性を一応は諌め、余り僕のことを嘲笑うな、虐めるな。僕は人種のチビで、貴方も一度は勝利しているのだから。それ以上彼を嘲笑うのは、自分の男としての価値を下げるようになるから止めてと、何度も最初の頃は諌めていた、僕の聞き覚えのある女性の声……。


 まあ、今は男性に魅惑的に甘えられて嬌声を漏らしているみたい。


 だから僕はこの場を立ち去り、集落へと戻ることができなくなった。


 だって嘲笑い、侮られていた当の本人の僕はこんなにも困惑、動揺しているに二人……。


 そう僕の筆頭妃とライバルとも言える男は、いまだに二人で仲良くネチネチ、ドロドロと嬌声を漏らしている訳だから。

 僕はこの場を立ち去ると言う訳にはいかない。

 男王である僕のことを蔑ろにして浮気をする二人を強引に止めないといけない。


 だから僕は聞く耳を立て──辺りを注意深く探索……。


 僕は二人の位置を特定するのに全力を注ぐのだった。




 ◇◇◇





「あの子……」、


「あのひと……」、


「あのひとにばれると不味い……」、


「頼むから離れて……。お願いよ、ウォン……」、


「私には健太がいるの……。だからこれ以上は無理~! 辞めて~! お願い~、あっ、あぁ~、ん」、


「うぅ、ううう……。私は健太の物だから離れてよ……。ウォン、お願いだから……」


 優艶な声……。熱い吐息と嬌声を「はぁ、はぁ~、はっ、うん、はぁ~」と漏らしつつ、異性との交わりを拒否している女性……。


 そう僕の妃! 妻! アイカのものだと思われる吐息と嬌声の漏れる位置を上手く特定できた僕は、アイカ阿保な女……。ビッチ! セフレの馬鹿が相手の男性……。


 僕のこの地──。未開のジャングルの王の座を賭けたウォンライバルの所有物になるための悪しき行為……。浮気、不倫と呼ばれる裏切り行為を食い止めるために、


「はぁ、はぁ」と息荒く二人の声……。嬌声が段々と大きく聞こえてくる方へと無我夢中で走るのだ。


 それも僕の両目からは涙の露をポロポロと滝のように流れ落としながら。僕は無我夢中で駆ける。


 頼む、頼むよ、神さま……。最後……。最後のところ、場面……。二人が完全に元鞘に収まり、交わる寸前には間にあってよ。お願いだから……。


 僕はこの地の男王であり、アイカの主さまなのに、情けなく他人頼り、神さま頼りで嘆き、嘆願をしながらがむしゃらに嬌声が漏れる方へと駆け足で向かう。

 何で僕をこの地に召喚した異世界冒険譚の女神さまは、普通の異世界ファンタジー、ラブコメな、和気藹々とした冒険者パーティー組む、魔王討伐の楽しい物語ではなく。こんな悪しき試練……。


 そう僕の妻が夫裏切り、他人と浮気をするような、のファンタジーを与えてきたのだろうか?


 それも僕の妻が夫を裏切るのは一度ではなく、以前にも僕のことを裏切った。


 だから僕達夫婦は少し冷めた様子……。僕が妻と距離をおくようになり、夜の夫婦の営みを疎かにすれば。

 僕が産まれた日本でもよくある通りの、妻が夫に相手にされないからの理由だと思われる、悪しき感情、憎悪で裏切られたのかも知れない?


 まあ、そんな情けない、妻に平然と浮気をされた僕だけれど。何故こんな事態へと堕ちったのか、これから少しばかり……。


 そう、僕を裏切り浮気をしているアイカの許へと到着するまでに。今までの僕達夫婦の経緯……。


 何故こんな悪しき事態……。僕の許へと悪しきラブコメの女神さまが降臨して、こんな最悪の事態へと陥ったのか少しばかり説明をするね。


 それも僕の嘆きと愚痴と一緒にだぁ。






 ◇◇◇




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