第5話逃げるな!

開業するに当たってPC及びネット配信に必要なサーバーやルーターの存在すら分からない素人経営だったから、社屋、設備投資に使う資本金が底を着くのは目に見えていたし、「退職しなくて良かったな。」大原は勤務先を退職しなかった訳だが、それには退っ引きならない理由があった。

退職時には銀行からの借り入れ金を全額返済しなければ為らなかったし、もしそれが叶わなかったら親族ではない年収600万円以上の会社員に保証人に為って貰わなければならなかったのだ!事態を安易に考えていた大原は、因果応報、片手に地獄行きの切符をしっかりと握っていた・・・。

第2章

「逃げるのか?」「違うよプロバイダ業は君らに任せたらいいんじゃないかと想うんや!」「結局逃げるんやな、お前、会社辞めてないし戻る場所有るもんな。ま、俺が社長に為ってこの会社維持していくわ。」なんだか嬉しそうな、元同級生が、可哀想に見えた大原は胸中で清々していた。

自分に気に入らない事があると一言も会話をしない!この女は何者?

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