恋する式神
冬月龍
第1話「現代に蘇った式神」
陰陽師、それは平安時代に活躍されたという呪いや妖怪を祓う者達それらはもう現代では無くなってしまったものである。
そんな陰陽師の代表とするならば安倍晴明などが有名であるが、本当にそんな人物はいたのか? それとも安倍晴明という名前は仮の名前なのかそんなものを分かる人なんてきっといやしないだろう。
だが、たった一つの存在を認めなければならない事があるそれは式神がいたということだ 。それが分かったのはつい先日の事である。
とある考古学者が平安時代に使われていた式神らしき御札を見つけたという。元々式神というのは実在したのかさえ分からない物だった、だが文献には様々な形で書かれてはいた。
その内容とは絵も含まれてなお意味が分からなかった。 そりゃそうだろう一人の人間が一つの紙を用いて自分より大きい物を、召喚というのが正しいのか分からないが鬼や異形の物を操り出していたのだから。
しかも一人の人間に似たものすら操っていたのだというそんなものと一致するような御札が複数枚発見され今展示られている。
「っとこんな感じなんだがそれでもお前は式神と言うものなのか?」
そう。 なんというか今目の前に式神? がいる。急に夜中物音で起こされたと思えば俺の近くにめちゃんこ可愛い子がいてびっくりした、それだけでなく式神とか言い出すんだ。それで急に
「お久しぶりです主様!」
とか言われたらねぇ? 疑うよね。
「はいです」
「いやまあたしかに耳とかしっぽとかあるから人間がもしかしたらって思うけど、正直コスプレしてるとしか思ってないんだけど?」
「コスプレ…? それってなんですか? 主様!」
コスプレが分からないのか…本当に式神と言われるものなのか本当にわからん。
「とぼけてるのか…それとも本気なのか、ちなみに式神である証拠って出せる?」
目の前の少女に言うとうーんと悩みながら何をするか悩んでいる様子だ。
「あ、ここでなら僕が苦手なものなら見せれるよ!」
「苦手なもの…? まあとりあえず見せて欲しいかな」
正直苦手なものを見せるって言われて何が何だか分からない、、何をしでかすやら。
「※※※※」
彼女は何やら俺が分からない言語で何かを喋った。俺は正直期待していなかった。
自分が分からない言語を言っているだけだと思っただがそんな俺が思う気持ちを裏切るように気づけばなんと彼女の指の先に小さな火があった。
「主様これが私が最も苦手とする最小の術です」
俺はこれを見せられ式神と認めるしかなかった。だがこれを見てなお素直には認められない自分もいるのもまた事実だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます