第14話 あなたの船よ
ドニィーシャは俺に聞く。
「イザベラと仲良くなったのね。」「いや、話しかけてくるだけだ。」
「イザベラは興味のないものに無関心よ。」
イザベラは、俺に何らかの興味があるらしいが、ただ目障りなだけかもしれない。俺はドニィーシャに質問する。
「それで用件は。」「本当に初めて操縦したの。」
「スノウビューティーの性能がいいからさ。」「そんなレベルではないわ、最後は本気で操縦していたのに引き離せなかったの。」
「じゃあ、俺の才能とか。」「そうね、何回か慣らしをするつもりだったけど、模擬戦闘始めましょうか。」
「分かった、要領を教えて。」「後は部屋で話しましょ。」
「俺の部屋ってあるの。」「え?教えていなかった、艦橋の横にある部屋よ。」
「そこって艦長の部屋でしょ。」「通常はね、この船、あなたの船よ。」
「はぁ・・・どういうこと。」「いずれ、わかります。」
何で最新鋭艦が俺の船になるんだ、それに乗員は部下と言うことになる、どういうことだ。俺の知らないところで物事が進んでいく。
ドニィーシャは、肝心なことは教えてくれず、俺の部屋で模擬戦の説明をしてくれる。
模擬戦闘は、装備しているライフル、内蔵火器を模擬戦闘モードにすると照準をロックしたところで当たり判定とダメージ判定をしてダメージを受けた機体はダメージに応じた機動性の抑制を行い、機動不能になると撃墜されたことになる。
スノウビューティーにも模擬戦闘モードがあるそうである。
イザベラについても分かったシルフの操縦で右に出る者がいないエースパイロットでもともとウルクの搭乗を希望していたが魔力が弱く起動できずシルフに乗ることになったのである。
俺が艦橋へ行くとイザベラが模擬戦闘していた、4機のシルフ相手にシルフⅡ1機で次々と撃墜し短時間で片を付ける。
次に俺は格納庫へ行く。ウォルターさんたちに不要になったビームバルカン砲をスノウビューティーに取り付けれないか相談するためだ。
スノウビューティーには十分に余力がある、武装を強化したいと思ったのである。俺がウォルターさんに話すと彼は言う。
「どこに取り付けるんだ。」「盾の裏側に2門。」
「バランスが悪くなるぞ。」「スノウビューティーには余力があるから大丈夫、それにうまくいけばウルクの改良にもつながるよ。」
「なら、試してみるか。」
ウォルターさんたちは、すぐに作業に取り掛かり、その日のうちに取り付けてくれた。翌日、朝から俺はスノウビューティーのバランス調整をする。ウルクとの模擬戦闘には間に合いそうだ。
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