客観的な判断ができなくなってるんだって僕は
灰雪あられ
死にたい?違う違う、人生を終わらせたいの
聞いた〜?
何が
何って、わかってるくせに〜。
おい…
そんな怒るなよ走馬くん。
怒るだろ
怒りんぼめ、まったくしょうがない教えてあげよう。
自殺する人はね、客観的な判断が出来なくなった結果らしいよ。
…そこまで悪意ありげに言うことねぇんじゃねえの?
え〜だって嫌じゃない?僕だって死なない道があるのは知ってるさ。
だけど、それでも、僕は今日ここ、この場所で人生を終わらせる!
誇らしげに言うことじゃねぇだろ
僕はね、人間向いてないの。
赤ちゃん、子供まではいい。
大人になれなかったのさ。
愛されてなかった?
いいや?父も母も祖父も祖母も弟妹だって僕を愛しているし、僕だって彼らを愛してる。
じゃあ死ぬなよ
どんな思いで残されると思ってる!
てか俺も入れろよ‼︎
おお、すまないついうっかり。
おまえっ……おまえってば、なんで俺にだけ言ったんだよ!
俺が何言ったって変える気ねぇくせに!
気分?
はぁ⁈
言いたかったんだ。
僕が、終わることを選んだんだって。
気に病むなよ。
僕のいつものわがままさ。
僕は別にいじめられて、とか、努力が実らなくて、とか、そうゆう理由で人生終わらせるんじゃないんだ。
ただね、僕働きたくないし遊んでたいの。
じゃあっ
頑張ればいい?
それがね、なんと残念、無理なのさ。
…それが客観的な判断が出来ないってやつじゃねぇの?
まさか!
結果論さ。出来たらこうなってない。
僕はね生きてける体、そこそこ耐久力のある精神をもってる。
だけどだけども、頑張る力を持ってないのさ。
人にはね得意不得意あるものだよ。
僕にとって1番不得意なことが頑張ることだった。
どっかのお医者に診てもらえばいい?
誰かに手助けしてもらえばいい?
いつまで?どこまで?
…人はね、変われるよ。
変われる部分は。
僕のこれは変わらない。
変わったとしてもちょびっとさ。
どうしょうもない人間だっているんだよ。
誰かの負担になるだけで、行きつく先は変わりゃあしない。
むしろ、不幸な人を増やすだけ。
…それが、本心なんじゃねえの?
おっと、いったい、そりゃどれだい?
負担になりたくねえってやつ!
本心の一つだねぇ。
俺が、俺がお前を!
殺してくれる?
ばっ…そんなわけねぇだろ‼︎
俺が養ってやる!
そんでお前は好きなように生きたらいい!
遊んで歌ってバカやって、俺とっ、一緒に、生きたらいい…
…それはとっても楽しそうだねぇ。
だけど…。だけど、ごめんね走馬くん。
電車が来たみたいだ。
それじゃあ、見送りご苦労。
さよなら愛しき友人、走馬くん。
よき日々を生きたまえ。
客観的な判断ができなくなってるんだって僕は 灰雪あられ @haiyukiarare
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます