K氏

 浮気相手3人目。文面からなんとなく陽キャの匂いがして、クソ陰キャの私はちょっとウッとなってしまったが、絶対普通に生きてたら関わらないであろう人種と関わりを持てるのもこういう場のいいとこだと思ったので(ほんとか?)LINE交換した。そっから2週間くらいLINEでやりとりしたり通話したりして、一旦会ってみることにした。なぜなら自撮りを送ってもらったところ顔面がガチでタイプだったからです。単純な女だわほんと。


 初めて会った時は近所のスタバで待ち合わせて、真っ先に思ったのはあ~わりと小柄なのね…ってとこだった。顔は写真の通りなんだけど身長が162㎝の私とそう変わらなくて、そこは大して重要じゃないと思っていたけどちょっと落胆するような気持ちも否定はできなかった。まあいいんですが別に。付き合うわけでもないし。あと明らかに元サッカー部の雰囲気を出していたので聞いてみたら案の定そうだった。

 そっからホテル行って一通り終えたんだけど、なんというか随所で彼氏面をするんだな、というか、めちゃくちゃ「女の子扱い」をされているなと感じた。なので単細胞な私は、なんであのクソ彼氏と付き合ってんだろう今すぐ別れてこの人に乗り換えた方がいいのでは?と思い、(さっきまで付き合うわけでもないしとか言ってたくせにね)ひどく落ち込んだりもした。割とマジで好きになってた。えぇえぇ分かってますよ、彼らが私に優しくしてくれるのは性欲由来だって。だからそういう気持ちはなるべく表には出さないようにしましたとも。

 けどK氏は本当に親身になってくれて、元カレと修羅場って状況が混乱していた時も話や愚痴を聞いてもらったり、気分転換と称して花見に連れ出してくれたりして、大変助けられた。この人がいなかったら多分もっとメンタルくそみそになってたと思う。


 なんだけど、これはわたしあるあるで大体2~3か月くらいで向こうからの連絡の頻度がガクッと下がるんですよね。そうすると、あ~まあそうですよね、と自分も向こうに上げていた熱を下げざるを得ないというか。それまでがやたら距離感近かったのも否めないけど。それからは月1~2回くらい会ってたまに通話もする、っていうスタイルで落ち着き半年くらい過ごした。そうなるころには私の気持ちも凪いでいて、ちゃんと「フレンド」としての感覚で接せられていたし、セックス抜きにしても友人として嫌いではなかった。どうでもいい話をお互いできるくらいには気を許せるような仲、と呼んでもよかったかもしれない。



 年始の休みに一緒に初詣行こうか?という話をしていたが、向こうがインフルになりお流れになってしまったのが、私にとって転機だった。正直、かなり楽しみにしていた。年の瀬に会う人もいないし地元に帰るでもないし、唯一のイベントがそれだったから。けどインフルじゃしょうがないしな…という気持ちとなんで今?!というやつあたりのような気持ちが沸き上がり、本当にすることがなくなり暇を持て余した私は、Tinderをインストールし誰でもいいからと構ってくれる人を探し始めた。今となれば当時の私グッジョブなのだが、この話はまた後ほど。


 初詣とは別件で、K氏から会社に面白い人がいるから一緒に飲んでほしいと誘いを受けていて、そっちは実現した。セフレとその職場の人と飲むってなんやねんって感じだけど、まあそんなこと今後の人生で二度とないやろうなと思うと行ってよかった。ただ問題だったのは、その日K氏と致したのちに二人とも性病にかかってしまったことである。(むしろ今までかかってなくて運が良かったまである)なのでそこから丸1か月以上K氏とは通話のみで会うことはなくなり、それも今思えば転機だったかもしれない。

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