某宅急便のお兄さん

 前述のとおり社会人になるころには、サイトもやめてセフレたちと全員関係を断って、私はこれから一人で生きていくんだろうなあと思いながら過ごしていた。もともと一人が好きだし、自分は恋愛できないだろうなと諦めていた。

 ちなみにこの頃友人から勧められて某アイドルにハマったのだが、そのきっかけになったのが「『ひとりで生きられそう』ってそれってねえ、褒めているの?」という曲。通称ひとそれと呼ばれているが、この曲が当時の心境にバチバチに刺さって大好きになった。


 社会人1年生が終わろうかという頃、家に配達に来た某宅急便のお兄さんに声をかけられた。歳は10くらい上で、そこそこ背の高いお兄さん。顔は普通。その人は会社にもよく配達に来ている人で私は顔を覚えられていたらしく、ちょっと話したところ地元が近いことが分かった。急に親近感が湧いてつい話し込んでしまい、ある種ナンパみたいな形だったけど、暇だしいいかと思ってLINEを交換してしまった。

 んで一緒に映画見に行ったり、ちょっと遠くの観光地にドライブしたり、夜に通話したり、(その流れでテレセクっぽいことしたり、)なんか普通にデートしててウケるな、とか思ってたら向こうから告白された。なんとなーく好意持たれてるのは察してはいたけど、自己肯定感クソ低マンだったのでこんなあたしに告白するとか正気かこいつ?と思ったのは覚えている。でもまあ嫌いではないし生理的に無理ということでもなかったので友達からお願いします、という感じだったんだけど、ちょうどコロナが流行りだして、その関連で口論とまではいかないが諍いがあった結果、連絡を取らなくなった。LINEがきてもガン無視を決め込み、会社で顔を合わす時は露骨に素っ気ない対応をした。その後彼氏ができたりしてだんだんどうでもよくなっていった。


 そして最近になって話す機会があり、あの時はごめんねと一応謝罪しあって、和解した形にはなった。やっぱりまあ嫌いじゃないし話してて面白い人だなとは思う。顔はタイプじゃないけど。

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