第16話 ムッツリ大会

「実はムッツリは全国にあるんるん!しかも大会もあるん♪」

「大会って何するんだ?」最初に口を開いたのはあおいだった。

「ムッツリ度をはかるだけ!キュピ☆」可愛い、もう男子でもいいじゃない。

佐藤は一冊のノートを出した。そこには沢山の女子の名前と縮れた毛が張り付けられている。

これは優勝を匂わせる代物だ。

そして大会があるなら是非出たい。

大塚も土屋も堤もムッツリに関しては負けたくない。


どうやら大会は冬休みの最後に行われるらしい。

開催地は一駅先だ。

検索して「集え!ムッツリの青春バトル!!39」に急いで手続きを済ませた。


39回もあったことに驚きだが、というわけでとにかく応募して写真を沢山撮った。

皆、秘蔵のエロ本も持ってきた。

あおいは今日も退屈そうに眺めている。


大きなバッグに全て詰込み、あとは当日を待つばかりだ。



あっと言う間に当日になり全員で遠征に出かけた。

電車に乗り会場に着く。緊張で大塚は顔面蒼白。土屋は干物状態。堤はガスター10がぶ飲み。佐藤はニヤニヤしていて、あおいは周りの視線に耐えきれずスカートを長くした。


誰もがムッツリした顔をしている。


開会式が終わり、前回優勝した高校の男どもにより選手宣誓が行われた。


マネージャーがいるグループはもう一団体しかいない。

あおいと佐藤に視線が突き刺さる。

綺麗なあおいとバチクソ可愛い佐藤は目立った。


周りはあおい達をギラギラと見ては前かがみになり、各方向から「ご馳走様です!」と聞こえた。


大塚はむしろこのために大会が開かれたのではないかと思った。

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