カンナカムイは、日本の少数民族アイヌの神。ヌースフィアはヴェルナツキーが唱えた進化説。モガディッシュは内戦に苦しんだソマリアの首都、ンゴロンゴロはタンザニアの自然保護区などなど・・・目次を眺めているだけで、興味を掻き立てられました。
作者の方の幅広い造詣が上手に織りこまれて、多彩な登場人物の服装や表情、建物、景色の描写が細かいながらも読みやすく、美しくも怪しい世界観に自然に引き込まれます。ストーリーと会話はテンポ良く進みます。今後、異世界の全体像がどのように明らかになるのか楽しみです。現世の主人公は癒されるのでしょうか?
小説投稿サイトで人気が高い異世界転生ものは、寡聞にしてほとんど存じませんでしたが、この小説には、作者の方の弱者へのいたわりや、平和への希求がこめられているように感じます。その意味でも、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。
お勧めします!