第108話 天賦 錬金術師

 初心者Newbieエリアの試練の間の前で野営をしながらドロップを確認する。


 宝石4個はハンター協会で買い取ってもらう。ホブゴブリンからドロップした黒い玉は、恐らく魔核だと思うのでパミュルに見せる。


「これって魔核じゃないの?」

「そうね、魔核で間違いないわね」

「じゃあ、パミュルが吸収してね」

「前にも言ったけど、かなり高価な物なのよ?」


 確かに前回も同じ事を言っていたけど、俺にとってはパミュルが強くなれば、パーティー全員の安全に繋がるからね。お金なんかよりもずっと大事な事だ!


「お金よりパーティー全員の安全が大事だからさ、遠慮なく吸収して欲しいんだよ」

「そこまで言うなら吸収するわね」


 パミュルは手にした魔核を両手で握りしめると、『スーッ』と魔核が吸収をしたけど身体に変化はなかった。俺は鑑定メガネをかけてパミュルの能力を鑑定してみた。


【名前】パミュル

【種族】スライム

【体力】1750→1950

【魔力】3100→3350

【天賦】〚変化〛〚風魔法〛

【通常】〚外殻〛〚自己回復〛New


「ステータスの上昇が凄いね。間違いなく僕達のパーティーのエースだよ」

「魔核を2つも吸収したんだから当然ね。せっかくだからハリエットも鑑定してみたらどう」

「そうだね、全員のステータスを確認しようか」


 俺はそのままハリエットを鑑定してみる。


【名前】ハリエット

【種族】エルフ

【体力】100→200

【魔力】20→150

【天賦】〚罠師〛トラップマスター〚弓術士〛〚土魔法〛


「体力も魔力も伸びてるね。魔法を使うようになったから魔力の伸びが凄いね」


 物理的な戦闘をすれば体力が、魔法を使えば魔力が上がるんだね。時間があれば魔法を使うように心掛けてるから、魔力の伸びが本当に凄いね。


「次はウォードのステータスね、私が見てあげるわ」


 パミュルが鑑定メガネをかけて俺のステータスを確認してくれた。


【名前】ウォード

【種族】人

【体力】150

【魔力】5

【天賦】〚幸運〛〚錬金術師〛New

【通常】〚罠士トラッパー〛〚弓士〛

【通常】〚剣士〛〚槍士〛


「えっ、ウォードに〚錬金術師〛の天賦が発生してるわよ!」

「えっ、僕の天賦は〚幸運〛だけだよ?その事はスキル確認の儀式で確認済みだよ」

「でも、鑑定メガネには出てるもの。ハリエットもかけてみて」


 ハリエットはパミュルに渡された鑑定メガネをかけて俺を見る。


「あっ、〚錬金術師〛の天賦が出てるよ!〚幸運〛と合わせダブルの天賦になってる」

「ダンジョンから出たら鑑定師に見てもらうよ。戻るまではマッピングに集中しよう」

「そうだね」


 全員のステータスを確認してみたら、俺に〚錬金術師〛の天賦があるというハプニングがあった。今は鬼の棲家の攻略中なので、天賦の事は置いといて目の前の事に集中する事にした。





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