第103話 イージーモード

 翌日は早くに起きて鬼の棲家へ向かう。


 理由は全員が目指す試練の間へ行くので、出来るだけ混雑を避けたいからね。


「日が昇る前なら人は少ないね。これなら正規ルートもスムーズに進めそうだね」

「正規ルートを進む時は早起きしないといけないのは少し辛いね」


 朝に弱いハリエットはまだまだ眠そうだ。正規ルートの試練の間をクリアすれば、次からは新ルートをマッピングするので、明日はゆっくりと寝れるので今日は頑張ってもらうしかない。


「明日は新ルートをマッピングするからね。正規ルートの試練の間をクリアしたら、早めに戻るから頑張ってね」

「今は少し眠いけど直ぐに目が覚めるから、いつもと同じで大丈夫だよ!」


 ハリエットと話をしていると、直ぐに入場手続きの順番が回ってきたので、手続きを済ませて鬼の棲家へと入っていった。人は少ないけど全く居ない訳ではないので、人の流れに沿いながら進んで行くからゴブリンに遭遇する事はなかった。


「これだけゴブリンが現れないと、正規ルートで稼ぐには次のエリアで相当頑張らないとね」

「全員がこのルートを進むから、次のエリアも人は多い筈よ。かなり進まないと利益は出ないかも知れないわね」


 パミュルの言う通りかもね。俺達は〚幸運〛のおかげでドロップがあるけど、普通ならドロップなんて出ないから大変だろうと思う。


 ゴブリンに遭遇しないので、のんびりと話をしながらダンジョンを進んでいると、間もなく試練の間へと到着した。俺達の前には3組ほど待っていたので順番を待つ事にしたけど、直ぐに順番が回ってきたので、試練の間へ進む前に指示を出しておく。


「ドロップを狙いたいから僕が仕留めるから、2人はゴブリンの足下を狙って動きを止めてね」

「「OK!」」

「じゃあ、入るよ」


 部屋へ入ると、部屋の中央が薄っすらと光った後にゴブリンが現れたけど、普通のゴブリンが1体だったので拍子抜けした。


「ウォード?」

「かなりイージーモードなんだね。援護はなしで僕が仕留めるね」


 そう言ってから剣を振って瞬殺する。


『バシュ!』

「ギャッ……」


 ゴブリンは魔石とアイテムを残して消滅した。俺が魔石とアイテムを回収してると、2人が近寄ってきて声を掛けてきた。


「「お疲れ様」」

「この程度なら疲れないよ!アイテムは後が待ってるから、取り敢えず魔法鞄マジックバッグに収めて後で鑑定するね」

「「OK!」」


 そう言ってから俺達は試練の間から出て、次のエリアへと進んで行った。



 


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