第89話 鬼の棲家の攻略開始
ハンター協会を後にして、ハンター協会が運営している、鬼の棲家とデルポト市を往復する馬車に乗って移動する。馬車に揺られること30分ほどで鬼の棲家へ到着する。ルクンナ洞とは違って、ダンジョンの入口前にハンター協会の入場受付があったので、列に並んで順番を待った。
並んでる人達を眺めていると、パーティーを組んでる若いハンターが多かったけど、女性のハンターはやはり少ない……ゴブリンの生態がアレだからかな?鬼の棲家へ入らずに、別の依頼を受けるべきか2人に相談してみた。
「やっぱりゴブリンの生態の事があるから、女性のハンターは少ないのかな。2人の安全を考えて、デルポト市周辺の依頼に変えた方が良いのかな?」
「あのね、ハンターの男女比率は4:1だからこれが普通なのよ?私達のパーティーが珍しいケースだからね?」
元ハンター協会職員のハリエットが、ハンターの男女比率を教えてくれた事で、俺のパーティーが珍しいんだと知った。
「ハンターを稼業にしている者が、ゴブリンの生態を気にしていたら成り立たないわよ!人型の魔物にとって人間の女なんてさ、苗床みたいなものなんだよ」
「そうなんだね。本にはその辺りが記載されてなかったから、知れて良かったよ。ありがとう」
その後、列は順調に進んでいって、俺達が鬼の棲家へ入場する順番が回ってきた。
「こんにちは、3人パーティーで入場します」
「こちらの書類にパーティーメンバーを記入してから、私へ提出してから入場してください」
「判りました」
俺は書類へ3人の名前の記入と提出を済ませて、鬼の棲家へと足を踏み入れていった。細い一本道を通り抜けると攻略が始まるので、ハンター協会で渡された資料の内容を2人に伝えた。
「鬼の棲家は階層型ではなくエリア型になっていて、エリア間の移動をする時は【試練の間】をクリアして移動するみたい。戻る時も試練の間を通るので当然だけどクリアする必要がある。試練の間を余裕でクリア出来ないのに次のエリアへ進むと、帰る事が出来なくなる恐れもあるので注意が必要みたいだね。今日は試練の間を探して、余裕があれば挑戦してみるね」
「「OK!」」
「あっ、私は〚変化〛しなくても良いの?」
パミュルが人型のままなので、いつものように俺のピアスに〚変化〛するのかを聞いてきた。
今回は3人パーティーを試したかったので、このまま行くと伝える。
「今回は3人パーティーを試したいから、僕が先頭、真ん中にパミュル、殿はハリエットで進む事にするよ」
「判ったわ。私が一緒じゃないから、十分に気をつけてね?」
「うん、さぁ、通路を抜けるよ!最初は人が多いから強襲される事はないけど油断しないでね」
「「OK!」」
俺達は通路を抜けて、鬼の棲家でマッピングと攻略を開始した。
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