第68話 次の目的地

 ルクンナ洞でのマッピングは完了した。


 この日は時間的に事もあって、下層のセーフティーエリアで泊まって、翌日にダンジョンを出る事にした。


 隠し部屋から出る時も滝を抜けるので、当然だけど俺もハリエットも服はびしょ濡れで、水没エリアを通る時は防寒具も意味がなく、凍えそうになりながらセーフティーエリアへ辿り着いた。

 直ぐに火を起こして暖をとる為に服を脱ぐんだが、そこで問題が発生した……


 基本的に野営では着替えなどしないので、服を脱ぐ=裸になるという事だった。


「僕は目を閉じて後ろを向いてるから、恥ずかしいかも知れないけどが我慢してね」

「えっ、うん」


 そう言ってから俺は焚き火に背を向けて目を閉じた。1時間もすれば服も乾くのでそのまま目を閉じて待つ事にした。


 焚き火の『パチパチ』と燃える音だけが聞こえる中、俺の背中に柔らかい感触とともに、ハリエットが後ろから抱き着いてきた。


「体が芯まで冷えてるから……こうやって温めさせてね」

「あっ、うん。判ったよ」

「まぁ、そういう事なら仕方ないわね」


 そう言った後は何故かパミュルも人型になって、濡れてもいないのに服を脱いで俺に抱き着いた。


 俺は2人の柔らかな感触を直に感じて、生殺しのような状況になってしまった。当然だけど身体は反応する訳で……


「あらっ♪」

「あっ♪」

「僕は健全なんだから……魅力的な2人に抱き着かれたらこうなるよ(汗)」


 まぁ、この後は2人の共同作業によって鎮静化された。


 服も乾いたので身に着けた後は、夕食を食べながらこれからの話をしていた。


「ルクンナ洞のマッピングが終わったけど、すぐに次の町を目指すの?」

「出来ればなんだけど、カニを何回か倒したいんだよね。データは取れたと思うんだけど、1回だけだと少し不安だからね」


 ルクンナ洞の攻略情報を作成するなら、1回だけの戦闘データでは信頼性に欠けるから、数回は戦っておきたいと思ってる。


「確かに1回だけじゃ不安だよね。それが終わったら次の町へ行くって事だね?」

「うん、次は【デルポト市】に行こうかと思ってます。そこは【職人の街】と呼ばれているので、錬金術を少し学んで魔法鞄マジックバッグ魔法地図マジックマップ等を強化しようかと思ってます」

「作って貰うんじゃなくて、ウォードが自分で強化するの?」

「うん、鞄の容量upや地図の範囲拡大なら少し学べは出来ると思うんだよね。そうすればメンテナンスも自分で出来るしね」

「ふふっ、ウォードは頭が良いからすぐに理解しそうね。錬金術は努力のスキルと言われてるからウォードにピッタリかもね」

「パミュルの言う通りかもね。理論を構築した魔法陣で効果を付与出来るからね。僕に向いてるのは確かだよ」

「じゃあ、カニとの戦闘データを取れたら、ルクンナ村からデルポト市へ向かうんだね」

「うん、来週には出発したいね」


 3人での話し合いで、もう少しルクンナ洞でハンター活動をしてから、次の目的地をデルポト市にする事で決まった。

 

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