第50話 少しの油断か危険を招く
翌日もルクンナ洞へ入って上層のマッピングをする。左側と右側は突き当たりまで進んだので、周りから順番に
「昨日と同じですね。ダンゴムシは討伐でムカデとの戦闘は回避です」
「OK!今日も頑張ろうね」
ダンジョンへ入ってマッピングを開始する。1度通った道なので判ってるけど、移動速度が早くなり過ぎないように注意する。理由はこのダンジョンの魔物は硬い外殻に守られているので、出会い頭で遭遇して突撃を喰らうと、大怪我を負ってしまうから注意を払う。
注意を払いながら進んでると『カサッカサッ』と少し重なり合うような音が聞こえた。
「前からダンゴムシの音が聞こえますが、いつもと少し違うので気をつけてくださいね」
「うん、2匹以上の複数だと厄介だね……」
「その時は指示を出すのでよろしく」
俺は武器を構えて少しずつ前へ進むと、2匹のダンゴムシが遊んでるように見えた。俺は後ろにいるハリエットさんをハンドサインで静止して、母さんに囁くように指示をだす。
「右のダンゴムシを魔法で飛ばして、2匹を離れさせたいから合わせてね」
「任せて、剣を振ったタイミングで発動するわ」
俺は右のダンゴムシに向かって剣を振ると、それに合わせるように母さんが魔法と唱えた。
『ビュッ』
「〚
右のダンゴムシに風弾が当たると、そのまま後方吹き飛んで地面に落ちる前に球状なり転がっていった。
『ビシュン』「ギギィ」
「任せて〚
残った1匹が俺達に気づいたけど、球状になる前にハリエットさんの魔法がダンゴムシの頭に直撃して仰向けになったところを、俺が剣で突き刺して仕留める。
「ハリエットさんナイスだよ♪ヤァー!」
『グシャ!』「ギギィ……」
1匹目のダンゴムシは魔石と外殻を残して消滅した。2匹目は転がっていったので、視界には見えないので驚いて逃げたのかも知れないと思って、ドロップを拾おうとすると『ゴーッ』と凄い勢いで音がした。俺が前を向くと球状になったダンゴムシが、物凄い勢いで転がってきた!
『ゴーッ、バッ!』
「わぁ~!」
「あっ、ウォーーード!」
俺は咄嗟に剣でダンゴムシを受け止めたけど、勢いに負けて吹き飛んだ。このまま壁に激闘すれば大怪我は間違いないと思った時。
「ウォードは必ず守る〚
『バフッ』「わあっと!」
母さんの魔法のおかげで傷を負わずに済んだ。俺に突撃をしたダンゴムシは球状から解除されていたので、俺は立ち上がる前にハリエットさんに指示をだす。
「僕は大丈夫!それより魔法で頭を狙って!」
「あっ、うん、〚
石弾が直撃したダンゴムシは仰向けになったので、俺は急いで立ち上がってから、ダンゴムシの腹に剣を突き立てた!
『グシャ!』「ギギィー」
2匹目のダンゴムシも、魔石と外殻を残して消滅したところで戦闘が終了した。
「はぁ、はあっ……危なかった」
「ウォード!」
戦闘が終わった瞬間に、ハリエットさんは声をあげて俺の元に駆けつけて、身体に異常が無いかを確かめる。どこにも怪我が無い事を確認すると『ジワッ』と目に涙を浮かべながら俺に抱き着いた。
「良かった……本当に……」
「母さんが守ってくれたから怪我なく済んだよ」
「愛するウォードを守るのは当然よ♪」
「2人とも心配かけたね。僕は大丈夫だからドロップを拾ったらマッピングを再開するよ」
「うん」
ハリエットさんは返事をした後も、暫く抱き着いたまま離れなかった。あまり心配をかけないようにしないとダメだね。俺はもっと慎重に行動するように心掛けようと思った。
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