第24話 ミリムとの別れ
ハンター協会の前でレイバンさんが待っていて、俺達に声を掛けてきた。
「よぉ、ミリムお帰り♪」
「レイバンさん♪明日からは一緒にダンジョンへ連れて行ってね」
「良いぜ。その前にパーティーを抜ける話は付いたのか?」
「うん、今からその手続きをするとこだよ」
「そっか、おい!そっちの姉さんも俺のパーティーで面倒をみてやってもいいぞ?無能な奴と組むより俺と一緒に居れば色々と楽しめるぜ?」
レイバンさんは、薄ら笑いを浮かべながらハリエットさんに声を掛けるが、『うんざり』とした表情で即答した。
「腕が立つだけの『脳筋ハンター』には興味がないので結構です」
「ハンターにとって1番重要な事だぜ?そんなガキとじゃ『アッチ』もご無沙汰なんだろ?」
「品のない人は最もお断りよ。ウォード、早く手続きを済ませましょう」
「あっ、はい。ミリムも手続きで書類を出すからついて来て」
「うん、レイバンさん待っててね」
「おうよ!」
俺達は協会の受付でパーティーから離脱手続きの話をして、必要な書類を手渡すされた。俺が書類に目を通して記入しようとすると、ハリエットさんが止めて書類をミリムへ渡す。
「ミリム、あなたはパーティーから抜けるの。だから私達はサポートをしないから、自分で書類に記入して離脱の手続きをしなさい」
「えっ、私はこんな書類を書いた事なんてないよ……レイバンさんを呼んでくる」
ハリエットさんに自分で書類に記入して提出するように伝えると、ミリムは慌ててレイバンを呼びにいった。
「別に僕がしても良かったのに(汗)」
「ダメなの。これからはウォードのサポートがないんだから、全てミリムがやっていく事になるんだからね。その覚悟を持たさないと」
「そうですね。もう僕がサポートする事はないんですよね……」
暫くすると、ミリムがレイバンさんを連れて戻ってきて、パーティー離脱の手続きをしようとしたが、どうも雲行きが怪しい感じだった。
「なんだこれ?こんな書類が必要なのか?」
「パーティーを抜ける時は離脱届を、入る時は登録届が必要になりますよ」
「俺は簡単な文字しか読めねえんだ。文字なんて書けねえから、あんたが書いてくれよ!」
「規則でパーティーメンバー以外の代筆は認められません」
「マジか……おい小僧!お前は読み書きが出来るんだろ?代わりにしてくれよ」
「離脱届は書いても良いけど、登録届はあなたのメンバーじゃないから無理ですね」
「そんなの判らねぇよ!この通りだ頼むよ」
「僕は規則を遵守するので、離脱届は書くので後は2人で何とかしてください」
そう言ってから離脱届は俺が記入してからミリムへ手渡した。ミリムは書類を受取ると少し不安な表情になっていたけど、俺に出来る事は何もないので別れの言葉を送って協会の建物から出ていった。
「ミリム、今までありがとう♪君のおかげで僕はハンターとしてやっていく自信が出来たんだ。これからは違う道を進むけど、ミリムの活躍を心から願ってるからね」
「ミリム、こんな別れ方をするとは思ってなかったわ……さようなら」
「あっ、ウォード……ばいばい……」
この先どこかで再会する時は、お互いの成長した姿をみせて笑い合いながら話せる事を願って、これからもハンターとして頑張ろうと決意した。
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