第21話 支援方針決定

 俺はクッキーを食べながらリンスさんと俺に出来る事の話しを始める。


 先ずはリンスさん達の天賦を聞いてみた。寄付が集まらずお金に困ってるようなので、簡単な仕事が出来れば少しでもお金を稼げるからね。その為には天賦の確認は欠かせないんだ。

 リンスさんは快く天賦を教えてくれた。


【リンス】〚薬師〛〚厨師〛

【ミリム】〚水魔法〛〚棒術〛

【カール】〚大工〛〚木樵〛

【コール】〚土魔法〛〚木樵〛

【メンディ】〚剣術〛〚盾術〛〚瞬速〛


 羨ましい事に全員が2つ以上の天賦を持っていた。特にメンディは上手く育てば騎士になれる程の素晴らしい天賦を持っていた。

 天賦を確認した俺はリンスさんに話しかける。


「全員が天賦を2つ以上持ってるなんて羨ましいですよ。僕は恥ずかしながら〚幸運〛1つしか持ってないので……」


 天賦を1つしか持ってないと言うと、全員が驚いていた。そんな俺を少し見下すようにカールが口を開いた。


「天賦1つで〚幸運〛って、はっきり言えばクズって事だよね?それで僕達に何が出来るの?」

「カール!ウォード君に失礼でしょ?直に謝りなさい」


 リンスさんはカール注意するが、俺は気になんかしてないので、みんなのやる気が出るように話しを続ける。


「そうだよ。僕はクズの部類に入る無能な人間だよ。だけどハンターとして生活を送ってるんだよ?カール達は僕よりも才能に溢れた優秀な人間なんだからさ、頑張ればお金を稼げると思わないかい?」

「当たり前だよ!ウォードが稼げるんだから僕ならもっと稼げるよ」

「僕もお金を稼げるなら頑張るよ」


 俺の言葉を聞いた事で、カールとコールは自分の才能に自信を持ったみたいだった。


「そこで提案があるんです。僕の仕事は主に薬やポーションの素材を採集する事なんで、それを手伝わないか?報酬はちゃんと渡すし、孤児院の空いてる場所で薬草を栽培して、リンスさんの天賦で簡単な薬を作って販売するのはどうかな?」


 カールとコールは目を輝かせてるので、話しに乗り気になってるのが判ったけど、ミリムは不安そうな顔をしていたので、あと一押しが必要だと思い笑顔で話し掛ける。


「ミリム、不安かも知れないけど僕が付いてるから頑張ってみないか?近場での採集だから殆ど危険はない筈だからね」

「本当にお兄ちゃんが一緒なんだよね?私を守ってくれるんだよね?」

「あぁ、僕は絶対に嘘はつかないよ。ちゃんとお土産も持ってきただろ?」


 俺の言葉を聞いて、ミリムは不安な表情から可愛い笑顔になって元気よく返事をした。


「うん♪お兄ちゃんと一緒に頑張る♪」


 子供達はやる気になったので、最後にリンスさんに確認をする。


「リンスさん、取り敢えず今の内容でやってみたいのですが良いでしょうか?」

「ウォード君への負担が大きいけど、本当に大丈夫なの?無理をしてないか心配になるの」

「僕なら大丈夫です。明日から採集へ行く時に1人ずつ順番に連れて行くのでよろしくお願いします。最初は誰が一緒に行く?」


 リンスさんは心配してくれたけど、魔物の討伐をする訳じゃないからね。明日の手伝いを誰がしてくれるか聞くと、ミリムが俺の前にやってきて答えた。


「私がお兄ちゃんと最初に行くよ♪」

「判った。明日の朝に迎えに来るから、一緒に頑張ろうね♪」

「うん♪」


 取り敢えず、明日から孤児院の子供達を連れて採集依頼へ向かう事になった。俺と孤児院の人達との繋がる事で良い方向へ向かう事を願う。

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