第17話 求めていたもの
行商店から家へ戻ってから夕食を済ませ、洗い物等の後片付けをした後は、行商で買ってきた【人柄は人生を左右する】の読書タイムとなった。
『人柄とはその人物の性質と品格の事だ。生活をしていく中で人との交流なしには生きて行く事は不可能である。人との交流で最も重要になるのは人柄で、人柄の良し悪しでその関係性が決まるのだ。つまり【人柄は人生を左右する】と言っても過言ではない』
俺は最初のページを読んで『うんうん』と納得すると、更に次のページを読み進めていく。
『親切である事。親切とは、相手の立場に立って物事を考え思いやりのある言葉と態度で人に接する事だ。親切に接する事でその相手との結びつきが強くなり絆へと繋がるからだ。日頃から相手への思いやりを持つ事を意識して行動しよう』
軽く読んだだけで理解した。
この本は俺が最も必要とするもので、〚幸運〛で色々な人と出会い、人柄で繋がって行く事が俺の進むべき道なんだと。
そして、この本はいっきに読まずに1つのワードをしっかりと理解する事にした。たくさんのワードを見るだけじゃ中途半端になって、悪い性質になってしまうからだ。
「ウォード君、少し休憩しない?」
ハリエットさんが、果実水を用意してくれてので休憩する事にした。
「ありがとうございます♪」
「買った本は面白いのかな?」
「面白いですね♪僕には特別な力が無いので、人柄でたくさんの人との繋がって、友好の輪を広げようと思います」
「ウォード君は人を惹きつける特別な力があると思うよ。それは人柄が良いって事だと思うな」
ハリエットさんに褒められた気がしてちょっと照れ臭かった。
「ハリエットさんにそんな風に言われると照れちゃいますね(笑)」
「ウォード君はそのまま成長すれば、素敵な大人になる筈だからずっとそのままで居てね」
「期待に応えれるように努力しますね!」
その後も本に書いてあった【親切】について話しをしたりしてから眠りについた。
➖➖➖ハリエットの想い➖➖➖
ウォード君は自分の事をよく理解してる。
天賦に恵まれず、唯一持ってる〚幸運〛を活かす為に自分と向き合って、その方法を導き出したんだからね。
確かに人柄はウォード君の武器になる。素直で親切で誠実で機転が利いて……こんな男性が居れば誰も放って置かないよね。
ただ、この世界は【天賦スキル】至上主義なので、〚幸運〛のみのウォード君には厳しい世界になるんだと思う。私なら裕福よりも幸せな生活を須めるんだけどなぁ~、歳が離れ過ぎて相手に成らないね(汗)
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