俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

第一章 上手く行かない人生

第1話 不幸の始まり

「旦那様!大変です!」

「何事だ?」

「あ、あの……ご子息様が産まれたのてすが……奥様が……パミュル様が出産時の出血が原因で重篤な容態で……医師が言うには助かる見込みが無いと……」

「そんな…パミュルに会う事は可能なのか?」

「はい、治療はしてますが可能です」


 重篤な容態だが会う事は可能だと聞き、その男は妻の元へと向かった。部屋に入ると医師と看護師が必死に治療をしていたが、男の入室に気付いた医師と目が合うと、苦悶の表情をしながら首を横に振った……

 愛する妻の元へ寄り添い頭を撫でると、僅かだが目を開け微笑みながら口を開いた。


「はぁ、はぁっ、あなた、私達の赤ちゃんは?」

「あぁ、元気な男の子だよ。」

「そぅ……よかったわ。跡継ぎの心配は……お願い、ウォードを立派に育てて……」


 パミュルが言った【ウォード】とは、妊娠中から2人で話し合ってた子供の名前で、男の子なら【ウォード】女の子なら【ラミュル】と決めていたらしい。


「パミュル、2人で一緒に育てるんだよ?」

「フォード、私も一緒に育てたかったわ……わたしの……愛する、ウォードをお…ね…が……い」

「パミュル…パミュルゥ~~!」


 俺の母は、俺の出産時に亡くなったのだ……これが俺の不幸の始まりだった……


 今思えば俺ってこの世に生まれた時から上手く行かなかったんだな。

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