猫母娘と創造主
@ogaprofane77
第1話 闘いのはじまり
砂粒が撒かれた床で、巻き貝が動く。街の建物はすべて燃えているか灰になっているかだが、外の花々は雨に揺れて、葉がそれを見る者に何かを語りかけているが、ここには人はおらず、そもそも猫もいない。街に突然現れた「猫狩り」の連中が叫び声を上げながら街の猫を駆逐してしまったからだ。だが哀しくはない。もっと哀しい悲惨が街を襲ったからであり、部屋の中で勝手に動く巻き貝を何時間も魚のような眼で眺めながら、少女は一人で、時計が壊れるような太古の時間へ遡行し、水の中で眠っていたのだ。「猫狩り」の長であるjgwdpmlzzは少女の父親だった。少女は父を一度も見たことがない。読むことができないその狂うような悪で膨れたスペルだからその呼び方も知ることができない。母親は、あの人は猫を憎んでいたと少女に語った。少女がまだ何も知らないし喋ることもできない赤ん坊の頃から母親は呪文でも唱えるかのように「猫狩り」のことを語った。母が少女に、憎しみをこめて語ると、台所の隅から、クローゼットから、床下から、砂時計の下から、空から、水道管から、あらゆるところから猫が集まってきた。極小の猫もいるし紙のように薄い猫もいる。「猫狩り」の脅威から隠れるために猫たちはそのような姿になってしまった。
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