ルーシアンミス アンダステ編
月村
序章
1 創世 ~白い部屋から~
白い部屋の住人は紡ぐ。
何もない空間に一つ置き、また一つ置いて。
彼らは紡ぐ、命と時を。
初めにアサンとピグマあり。
アサンは天頂に位置し、世界を照らす。ピグマはそれ以外、あらゆるものの元となり世界を覆う。
ピグマは大地を造り、大地から森が生まれ、水が湧く。
ピグマの大地は次々と多くのものを生み出していった。
クレミスという楽園がある。
アワンを中心に森が広がり、その外はクレウたちの住まうところ。
アワンは生命を生み出す泉で深い底には巨大な宝玉がある。
森にはアワンの管理人が存在し、アワンより生まれる命をクレウたちへ渡す役目を担う。
彼らは争いもない穏やかでゆるりとした時を生きていた。
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