第16話 ミオの看病と・・・

目が覚めるとミユが隣で寝ていて安心する。


ボーっと可愛い寝顔を見ていて昨日の事を思い出しミオが気になってスズの部屋に入るとまだミオは寝ていて安心した。


もしかして黙って出ていったんじゃないかとか、苦しんでいるんじゃないかとか。


確認できたのでそっとドアをしめてミユの部屋に戻ってベッドに、そっと入った。


しばらくするとミユも起きて、いつものおはようの挨拶をしてリビングに向かいユキとミーシャとおはよう挨拶をしてスズの部屋にノックをして入る。


ミオも起きていて腫れも引いてだいぶ良くなっていた。


「おはよ。少しは良くなったかな?」


「はい。お陰様でだいぶ良くなりました。」


「良かったらしばらくココに居なよ」


「悪いですよ。スズさんに迷惑ですし」


「あそこに戻っても、また同じ事の繰り返しじゃないのか?そしたらまた助けるんだから、だったら痛い思いしなくて良いんじゃないか?」


「そう言われても困りますよ。」


「そうだな、でも治るまではココにいろよ」


「有難う御座います」


「お腹空いただろ。朝食に行こう」


ミオを背負ってリビングに降りてミオを座らせるとスズも帰ってきた。


皆で朝食を取りミユがミオを部屋に呼んで連れて行った。


平らな場所ならなんとか歩けるようになったみたいだ。


しばらくするとミオが戻ってきたらミユにツインテールにしてもらったみたいで可愛くなったな。


「ミユさんに可愛いヘアゴムを貰っちゃいました」


と笑顔で喜んでいて笑顔が可愛い。


実は、かなり可愛いんじゃないのか。


「で、どうする気なんだ?」


「話が急だな、何がだよ」


「ミオをどうしたいんだ?」


「またか・・・助けたいだけなんだが」


「今回助けても同じ事の繰り返しになるぞ」


「そうだよな」


「ミオは、どうなんだ?ユウヤの事をどう思っているんだ?」


「どう思っているかと言われても・・・」


「会ったばっかりで分かるわけ無いよな」


「面倒だからストレートに聞くが結婚する気はあるのか?」


「ユウヤさんとですか?」


「他に誰がいるんだ。それとも他に結婚したい相手でも居るのか?」


「ユウヤさんとなら結婚したいです・・・けど、わたしとじゃ・・」


ミユも戻ってきていた。


「良いんじゃないの結婚しちゃえば」


「ミユまでそんな事言って良いのかよ」


「こんな可愛い子追い出したら間違いなく拐われるか襲われるよ。」


「そうですね。可愛いので間違いなく拐われちゃますね」


「まぁ皆が良ければ、俺も結婚したいと思ってるよ」


ミオが泣きながら


「え?わたしを貰ってくれるの?わたしが、お嫁さんになれるのかな・・・?」


「お姉ちゃんが増えるの?やったー」


「部屋はミーシャの隣に用意してあるぞ。だから部屋を返してもらうからな。」


「昨日のニヤリって笑ってたのは、これの事か」


「そんな事より親のいない子供を保護する施設を作るのを急がないとお前が嫁だらけになってしまうな。」


「そうだな・・・このままだとヤバいな。自分でも思う」


「ユウヤは優しいからね」


「優しいのは分かっていますけどお嫁さんがこれ以上増えるのは困りますね・・・」


「施設が出来れば少しは落ち着くだろ。それよりさっさと誓いのキスを済ませてくれ」


ユウヤはミオに近づき肩を抱くと震えているのが伝わってきたので


「今じゃなくミオが落ち着いてからでも良いんじゃないのか?」


「落ち着いてますよ。嬉しくて震えてるだけです。」


と言ってミオの方からキスをしてきた。


「よし。これで結婚成立だな。良かったなミオ」


「はい。今でも信じられません」


「おめでとうミオちゃん」


「良かったですねミオさん」


「みなさん有難う御座います」


「下の部屋にミオを案内をしてやってくれ」


ミオを背負い1階に降りていくと倉庫が無くなっていて3階のような間取りになていた。


ミオの部屋に入ると皆と同じ部屋でベッドにソファーもテーブルもありミオが目を輝かせている。


「ここが、わたしの部屋なのでしょうか?」


「うん。今日からココがミオの部屋だ。何も心配はいらなくなったから。まだ休んでて良いよ。料理とかって出来るの?」


「家庭料理くらいなら・・・下働きをしてる時に手伝っていましたので」


「ケガが治ったら料理を少しお願いするよ」


「はい。分かりました。」


「昼頃また迎えにくるからちゃんと休んでてね」


と言ってリビングに戻ると誰も居なかったのでスズの部屋に行くとソファーの定位置で座って待っていて俺が近づくと立ち上がって俺が座るのを待っているようなので座ると膝枕する。


「色々と迷惑掛けて悪いな。ありがとな」


「ふん。ホントいい迷惑だよ。まったく」


頭を撫でてご機嫌をとる


「ユウヤじゃなかったら追い出してるね。」


「そんなにご立腹ですか?」


「当たり前だろ何で、こんなに短期間に嫁がこんなに増えてるのさ。」


「・・・それは・・・・」


「分かってるけどさ、ユウヤが優しくてって、でも限度があると思うよ」


「ゴメンな。」


「普通さ王女をお嫁に貰ったらさ、他の嫁は貰わないと思うんだけど。」


「そうなのか?」


「王女だよ?怒らせないようにとか、捨てられないようにって考えるんじゃない」


「あ、そうか。王女様だもんな」


「その事を私から言ってる時点で私の負だけどな」


「すみません。」


スズの頬を両手で掴んで唇にキスをするとスズの体がビクッとなり顔が赤くなり


「もぅ。急になにをするのさ。これ以上怒れなくなっただろぉー」


「悪いと思って謝罪のキスだ」


「うぅ・・・仕返ししてやる」


と起き上がりスズに唇にキスをされて力が抜ける


スズを膝に乗せて


「親の居ない子供の保護施設だけど、すぐに出来るのか?」


「今週中には稼働するんじゃないかな」


「やっぱり早いな。」


「こんな施設があるのはココだけだと思うがな、誰かさんのお陰で思いついたんだけどな」


「無かったのか?」


「ああ、無いぞ。こんな金の掛かる施設誰が作るんだよ金を消費する一方だぞ」


「言われてみれば、そうだよな・・・だったら、何かを作ってもらうとか出来るんじゃないのか?」


「子供に何が作れるのさ、面倒を見るのは15歳までだぞ」


「だったら大丈夫じゃないか?6〜15歳は働く、5歳は下の子の面倒を見るのを助ける」


「うん。何をさせるんだ?」


「作るのが無理だったら販売とかは?」


「悪くは無いがお金の管理が難しいんじゃないか?持って逃げられたら赤字だぞ。品物の管理も大変だぞ」


「何か出来ると思うんだけどなぁ」


「そういう考えは良いんだけどさ・・・お腹を揉まないでくれるか、くすぐったいんだけど。」


「ダメだったか?」


「・・・我慢する。なんで王女が我慢しなきゃいけないんだよ。もぅ」


「家畜を育てるとかどうだ?」


「臭いとか衛生面がダメじゃないか?町の中だぞ」


「裁縫とかって出来るか?」


「出来るんじゃないのか。皆服を修理しながら着てるからな。」


「ぬいぐるみとかって知ってるか?」


「何だそれは?知らないぞ」


「決まりだ。販売はスズに任せてお金の管理の問題も無くなったし。商品の管理の面も材料で売り先も無いだろ多分。出来たのは回収すれば問題ないし。ぬいぐるみを作るのはミユも得意だって言ってたし」


嬉しくてついスズにキスをしてしまうが、スズもユウヤが喜んでいるのでスズも嬉しくなり抵抗できない。


「・・・もぉぉぉ。」


「怒るなよ、悪かった」


「自分に怒ってるだけだー」


「何でだよ」


「ユウヤに反抗できない自分にだよ。」


「何を反抗したかったんだ?キスが嫌だったのか?」


「キスは嬉しいから良い」


「他に何かしたっけ?」


「・・・何でも無い。私って、こんなだっけ・・」


「うん。いつも優しいくて可愛い笑顔のスズだろ」


「いや違うぞ。いつもは敬われて、恐れられてたと思うが・・・」


「そうか・・・俺もそうした方が良いのか?」


「・・・ゴメン忘れてくれ。今更されると胸が苦しくなるし泣くぞ」


「良くわからないけど大変なんだな王女様は」


「誰のせいだ?いや・・・お前を好きになってしまった・・私のせいだな。」


「ゴメンな。」


スズの頬にキスをする


頬が赤くなるスズ


「・・・幸せに感じてしまう。」


「俺も幸せだぞ」


ユウヤが後ろからお腹に手を当ててきて肩に顔を乗せてきて頬と頬が当たり抱きしめてきた。


勿論スズはドキドキして幸せで抵抗できない


「・・・何をしてるんだよ」


「幸せでさ抱きしめたくなったんだけど・・・嫌ならやめるけど」


「いや・・・しばらく・・そのままで・・いてくれ・・・」


「スズの髪の毛良い匂いがするな」


「ユウヤが買ってきたシャンプーだろ」


「こうしてると落ち着くな。」


「こっちはドキドキしてるけどな」


「あ、それ俺もだけど。」


「どっちなんだよ。」


「何で怒ってるんだよ」


ユウヤが抱きつくのをやめてしまった


「あ、ゴメン。怒ってないって」


「でも、機嫌が悪そうだぞ?」


スズを持ち上げて隣に座らせた


「え、もう終わりなのか・・・?」


「機嫌悪そうだし」


「機嫌悪くないし怒ってもないって」


「なら良いけど・・・もうお昼じゃないのか?リビングに行くか」


「・・・うん。」


ユウヤは1階に行きミオの部屋に入って


寝ていたミオの可愛い寝顔を見て頬を触ろうと思ったがケガをしてたのを思い出しやめておいた。


体を揺すって起こすのも、どこをケガをしてるのか分からないので触れないしな・・・


「ミオお昼だぞ〜」


「・・・」


「お〜い。ミオ〜」


「あ、はい。」


「寝てる所ゴメンな。お昼だぞ」


「わざわざ、ありとうございます」


「背負うから背中に乗ってくれ」


「いえ。もう大丈夫ですよ」


「じゃあ今回で最後で遠慮なく乗ってくれ」


「じゃあ、すみません。」


リビングに向かうと皆そろっていたので昼食を食べて


「ミユ、ぬいぐるみ得意だったよな」


「うん。作るの好きだよ。」


「施設の子供でも作れそうで売れそうなの考えておいてくれるかな」


「うん。考えておくよ」


ミオを背負ってミオの部屋のベッドにミオを下ろしてお礼を言われてスズの部屋に入ると元気のなさそうなスズ。


「大丈夫かさっきから、おかしいぞ」


「分らないけど・・・」


「朝は元気で機嫌が良かったんだけどな。俺何かしたか?」


「だから分かんないって」


「そっか。スズが落ち着くまでリビングにいるな」


「え・・・何でよ。行かないで」


「スズとケンカしたくないし」


「怒ってないよ?機嫌は悪くないと思うけど」


「でも、今日のスズはおかしいぞ」


「ごめん。自分でも良くわからないんだ」


「どうしようか・・・仕入れでも行ってくるか」


「だから行かないでって」


抱き着かれるユウヤ


「ホントに大丈夫か?」


「うん。ごめんね」


スズ頭を撫でるとスズの目が潤む


「今度は泣き出すし忙しいな。」


「・・・」


「俺が言うのもおかしいけど、もしかして恋って奴か?」


「恋?」


「人を好きになって感情が不安定になるらしいぞ」


「・・・そうなのかも」


「スズは恋なんてした事なさそうだしな。」


「どうすれば良いんだ?」


「それは俺には分からないけど」


「そうか・・・」


「俺に恋してるなら一緒に居れば治るんじゃないか?分らないけど」


スズを膝の上に座らせて抱きしめる


「どうだ?」


「うん。楽になった」


夕方まで膝に乗せたまま話をして過ごした。


 


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