帰宅部なのに帰れない!

永寝 風川

1帰宅目 帰れない帰宅部

この学校、学活高校がっかつこうこうは属に言う部活強豪校だ。そして学校に入ったら絶対部活に入らなくちゃいけない。俺、空道そらみち 帰家きかは帰宅部に入った、いや入ってしまった。愚かな高校1年生だ...


なんで愚かなのかって?理由は簡単帰れないからだ。


「さぁ!部活動の開始だ、という訳で帰家!帰るなよ」


この帰宅部、部長 北道きたみち 観渡かんとがそう言う、彼女は男勝りな性格で、紫かがった黒長い髪の毛と背が高いのが特徴的な1年の部長だ。ちなみに俺より背が高い。


「あのー?部長?ここ帰宅部ですよ?」


「帰宅部だから、帰らないんだろ!」


「いや、俺帰るために帰宅部来たはずなんですけど...」


(というか、部活動の中になんで帰宅部があるんだよ...)


「まぁまぁ、そう言わずにさぁー、ゆっくりだべろうよー、キッカくん?あ、あれ見た?あのアニメ」


「見てませんけど...後、好先輩、キッカくんやめてください...」


よしみ 物華ぶつか先輩オタクでギャルという特徴的な個性を持っている、2年の先輩。橙色の髪の毛とポニーテールが特徴的だ。この方も俺より背が高い。


「別いいじゃんか、すいちゃんもそう思うしょ?」


「え?わたしですか?まぁ、わかりやすいのでいいと思いますよ?まぁ、本人が嫌がるのなら辞めますけど....」


そういったのは谷梅たにうめ 千水ちすい先輩。とても優しくおっとりして、茶髪でふんわりした髪型が特徴的な2年の先輩だ。

ちなみに千水先輩は時々優しき女神と呼ばれている。この人は俺より背が小さい、良かった、俺より身長小さい人いて...


「ねぇ、先華ちゃんお菓子作っできたんだけど、食べる?」


「うん、貰う、千水が作ってきてくれるやつ美味しいから」


そういったのは奏海そうかい 先華せんか先輩。クール?というか口数が少いのかな?まぁそれはさておき、とてもゲームが上手い先輩で、長い黒髪で小柄なのが特徴的だ。どれくらい背が小さいかっていうと中学1年ぐらいだ。


帰宅部は今説明した、女性4人と男1人の部活だ。え?ハーレムだろだって?そんなことよりこっちは帰りたいんだよ!家サイコー!!


「とりあえず!俺は今回先に帰ります!」


「ほほう?それならこの部長の俺にいい案が....ちょ!待て!帰るな!いいのか!?今帰ったら部活サボったて事で報告するぞ?」


扉を開けて去ろうとした俺に部長の言葉が刺さる、サボるって事にされたら面倒だ、色々と。俺は仕方なく荷物をその場に置いて、部長の方を見ると、部長は椅子に王様ぽい座り方をしていて。隣に好先輩がいて魔王ぽい立方をしていた。


「よくぞとどまってくれた勇者よ!」


「この魔王!好様と」


「この国の王!北道様の」


「「合体技で敗れろ!」」


2人はそう言い、立って俺に指を指す。


「どういう展開だ!」


俺はすかさずそう叫ぶ。


「魔王と最初の国の王が手を取り合って勇者を倒すシーンに決まってるじゃん」


「このシーンは世界初めてになるっしょ」


2人はそう言ってうんうんと頷いている。


「だからどんなシーンだよ!まぁ確かに異世界物増えましたけど...そんなシーン、少なくとも俺は見た事な....どうしました?」


俺がそう言ってると、先華先輩が俺の袖を引っ張る。


「今日もやる?」


「そういえば、まだでしたね」


先華先輩が言ったやる?と言うのは、簡単に言うとゲームの対戦だ。俺もゲームの大会でいい成績残したくらい強いんだけど...

この先輩には勝てない、少しでも隙を見せたら一気に叩き込んでくる。ちなみに対戦してる俺の理由は強くなれるからだ。


「んじゃあ早くやろう」


「はい分かりました」


俺はコントローラーをバックから取り出し、端っこの机に向かう、その席は先華先輩が使っている所で、先華先輩はいつもその机にノートパソコンを置いてゲームチェアに座ってゲームしている。


先華先輩はパソコンを閉じておりその上にゲーム機を立てて、起動させていた。俺はゲームチェアの隣に椅子を移動させて座り、先華先輩のゲームに俺のコントローラーを接続させる。そしてゲームが起動され対戦するのだった。


「また、私の勝ち」


「強すぎませんかね!」


俺がそう言うと、頑張れと言ってゲーム機の電源を切った。いつも1日10回の対戦をする、先輩はそれぐらいがちょうどいいらしい。


「また負けたのか?同じ1年として恥ずかしいぞ」


「私はキッカ君の気持ちちょっと分かるよ?先華ちゃんちょー強いしその気持ちわかるよー?私も1回戦ったけどそっこー負けたもん」


後ろからそんな声が聞こえた。部長はバカにして、好先輩は慰めてくれる。なんで部長はそんなに上から目線なのだろうか、俺より速攻で負けたのに。


「あの、キッカくん」


「どうしました?千水先輩」


俺が椅子から立って椅子を元の場所に戻していると、千水先輩が声をかけてきた。


「その、先華ちゃん、キッカくんと戦うのとても楽しんでるから、そのいつもありがとうね」


「千水先輩って...先華先輩の保護者ですか?」


そう笑顔で言う千水先輩に俺はいつも思っていた事を口に出してしまう。


「そうなのかな?まぁわたしはそんな気はしないけど...」


そう千水先輩が言うと、好先輩が千水先輩に近ずいて言う。


「いや、千水は先華の保護者じゃん?というかこれ百合じゃね?」


「ほほう?帰家は百合に挟まる男と?」


「違いますよ!?というか、俺は先華先輩にゲームしてるだけじゃないですか!」


近ずいてくる2人に俺は咄嗟に弁明する。


「百合...じゃない」


そう先華先輩が言ってくれた。


「なら違うのか、今回は許してやろう!」


「というか本当にせかちゃんとすいちゃんって、子供と保護者みたいだね」


好先輩がそう言うと、先華先輩は少し恥ずかしそうに言う。


「まぁ...そう言われるとそう....」


「先華ちゃんがそう言うならそうなのかな?」


つられて千水先輩もそう言うと、部長が言った。


「ふーん、さて!そろそろ残ったら怒られる時間だ!」


そう言われて全員確認すると確かにそんな時間だ。


「やっべ!マジじゃん!」


好先輩はそう言って出していた物をバックに入れる。


「先華ちゃん帰ろー」


「ん、わかった待ってて」


先華先輩はパソコン等をバックに入れ、水筒を肩にかけると、千水先輩の方に行く


「はぁ、ようやく帰れるよ...」


俺はそう言ってゆっくり部室から出る


少ししてそれぞれ部室から出る、そして最後に部長が部室の鍵を閉めると、俺たちは家を目指すために帰るのだった。


これが俺たちの帰宅部の日常だ。

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