身の回りであった話

ユイシロ

泣き声

これはまだ旦那と付き合っていた頃の話です。


当時、私は実家(マンション)に住んでおり、家には母と父の三人で住んでいました。


旦那とは遠距離恋愛で、頻繁に寝落ち通話をしていました。

その日もいつもどおり寝落ち通話をしており、起きると通話は切れて、代わりに旦那から何通かLINEにメッセージが。


『なんで泣いてるの?』

『なにか言ってくれなきゃ、こっちもわからないよ』


全く身に覚えがない私。

枕を見る限り泣いていた様子もありません。

母親の声じゃないの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、新しめのマンションということもあり遮音性が高く、部屋のドアを閉めていると外の音はあまり聞こえないようになっています。

それに旦那が言うには夜中に泣き声が聞こえたと。

なので、母親の可能性も低い。

結局その日は気のせいじゃない?ということで話は終わり、その話はしませんでした。


ですが、次の日も旦那に同じことを言われました。


『やっぱり泣いてるよね?』

『嫌なことがあるならちゃんと言ってくれないと…』


再び枕を確認してもやはり濡れていた様子はない。

2日も連続で?と不思議に思い詳しく話を聞いてみることにしました。


「そんなにはっきり聞こえるの?ノイズとかじゃなく?」

『うん、外の雨の音まではっきり聞こえるからノイズじゃないと思う。』

「???雨の音?昨日、雨なんて降ってないよ。」

『えっ、でもザーザー降ってるのが昨日も聞こえてたよ。それに男の人の声も聞こえた、お父さんの声じゃない?』

「待って、待って、ありえない。」


そう、ありえないんです。

昨日も今日も確実に雨は降ってないですし、ましてや降っていたとしてもマンションの構造上、雨音が私のいる部屋はほぼ聞こえないんです。

その上、先程も記載したとおり遮音性が高く部屋のドアを閉めていると部屋の外の音はほとんど聞こえません。

なので、雨音も父親の声も通話に乗るはずがないんです。


私には心当たりがひとつだけありました。

そして、旦那に一言。


「その話はもう二度としないで。」


その後、怖くて寝落ち通話の回数は減り最終的にはなくなりました。

その間、旦那には謎の泣き声と雨音、男性の声が聞こえていたかもしれませんが、旦那にしかわからないことです。


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