再びあの場所で…
@ryukusa
第1話 母との別れ
「ねぇ歩、私全部思い出したよ。昔私の家族に何があったのか。どうして歩と離れ離れになったのか。」
遡ること10年前。乙幡村に住む小学生の女の子と男の子がいた。
その2人の名前は、上村琴音と星野歩。この2人は幼馴染であった。
琴音の方はとても人見知りで、学校には歩ぐらいしかまともに話せる子がいなかった。一方で歩の方はというと、とても活発で誰とでも話せるような子だった。お互い一人っ子で家でゲームをするとなると、琴音と歩は2人で一緒に遊んでいた。
ある日の学校の終わりのHRにて。
「今日は、みなさんに気を付けてもらいたいことをお話しますのでよく聞いてください。ここ最近この乙幡小学校の近辺で不審者の目撃情報が相次いでいます。下校の際には小学校のPTAのお母さんたちが見守りに来てくださっているので大丈夫かとは思いますが気を付けて下校してください。もし知らない人に話しかけられて身の危険を感じたらすぐに周りの大人に助けを求めてくださいね。それでは、さようなら!」
「おい、おばちゃんってPTAやってたっけ?」
「うん。なんで?」
「そうするとさ、お前家帰っても誰も家にいないんじゃないか?」
「そうだね」
「おばちゃん帰ってくるまで俺ん家来いよ。うちの母さんもいるしさ。その方がおばちゃんも心配しないでしょ。」
「うん。じゃあそうするね。帰り道お母さんにあったら伝えとこうね!」
「うん。よし帰ろう!んじゃみんなまた明日な~」
~帰り道~
「あ、おかあさ...」
「きゃーー!!」
帰り道、見張りをしているお母さんを見つけた私はお母さんと呼ぼうとした時、向こうから誰かが叫ぶ声が聞こえた。
私たちとお母さんは一緒に叫び声の方に向かって走った。
そこにはかなり先が鋭そうな包丁を持っている不審者の男がいた。
駆け寄った私たち3人に気づいた不審者は、女の子に刃を向けこう言った。
「おい。そこのがき2人とおばさんよ。この子殺されたくなかったら今すぐ乙幡村の寿という木わかるだろう?あれを切ってここに持ってこい。」
寿は私の村で祀っている大事な木だ。切れるわけがない。しかもあの木は私と歩の大事な思い出が詰まった木だ。
「そんなこと出来る訳ないじゃない。」
すかさず母は反論した。
「そうか。じゃこの子を殺すしかないな。」
「その子に手を出さないで。小さい子の未来を簡単に奪わないで。」
そういった瞬間お母さんは私たちに交番のおじちゃんを呼びに行けと言った。
私たちはお母さんが何をするのかさっぱりわからず怖くて呆然としていたら、次の瞬間不審者は子供に刃物を振りかざそうとした。
「え、お母さん、、?」
視界にはお母さんが子供が刺される手前に子供を守り、代わりに刺されている景色が見えた。
それと同時に騒ぎを聞きつけたおまわりさんが来て不審者は捕まった。
しかしお母さんは刺された場所が悪く、出血多量で亡くなった。
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