第43話今度こそ活躍したい!

 ベルゼの不安は当たっていた。すでにブロギロンは最後の指揮官と対峙していたのだ。


 「フッ、まさかこんなところであの機界文明の生き残りを見つけるとは思いもしなかった。だが悲しいかな…お前はあまりにも弱すぎる、あの鬼気迫る顔で死してなお私に挑もうとした老練の将軍とは格が違いすぎる」



 「クッ!?」


 圧倒的なオーラがブロギロンを萎縮させ動けなくなってしまう。すでにさっきもこれと似た感覚を感じたのだがやはり怖いものは怖いのだ。


 「今にも震えそうだな、ならば去るがいい私は戦士となら戦うが臆病者とは戦わない」


 見下すような視線を向け、ブロギロンの横を通り過ぎようとする。


 「待て!!」


 ガシッと奴の腕を掴む。



 「……小僧、覚悟があるのならば相手をしてやろう。だがなかったら貴様は殺しはしないが少しだけ痛い目に遭ってもらう」



 「確かに今の僕はお前には勝てない……でもそれでも僕には引けない意地がある!今度こそ活躍して成長した僕を見てもらうんだ!」


 想像し難い圧を感じでも一歩も引かなかった。ブロギロン自身、これで二度目の戦場になる。それも全部邪神群指揮官との決戦ばかりだ。彼が足がすくんでしまうのは仕方ない、当然だ彼は機械であるが心は人と同じだ。


  怖いのだ、本能的に戦いを避けてしまっている程にだがそれではダメだと彼は思っている。次こそは活躍しなくてはならないと思い、今回の戦場でも結局動けなくなった。だから彼はこんな無謀な戦いを行うほどに焦ってしまっているのだ。



  「そうか……なら仕方ない。その覚悟に免じて貴様をここでーー」


  瞬間、目の前に巨大な大刀が自分の頭の上にくる。


 「えっ」


 呆けたような声が出てしまう、頭ではかわさなければならないとわかっているのにそれができずにいた。


 だがそんなブロギロンが真っ二つになる事はなかったのだ。すんでのところで何者かの大太刀が間一髪のところで挟まり彼は命を失わずに済んだ。


 「ブロギロン!こんな簡単に死んではダメですよ!あなたはあのアストロ様に作ってもらった一番機なんですか!」


 その声に突き動かされる形でブロギロンは奴の土手っ腹に拳を一撃入れる。


 数メートル奴は吹き飛んだ後、すぐに態勢を整える。


 「あぁ、そうだね!ジンバル!忘れていたよ、思い出させてくれてありがとう!」


 友の言葉に助けられてようやくアストロが作った傑作機は初の実戦を二号機と共に戦う



 「今の拳はよかったぞ小僧、ようやく私が相手ができる役者が揃ったようだな」


 凄まじい闘気を二人にぶつけるが怯みはしないそれどころか戦意が上がっていく。


 「いくぞ!ジンバル!」


 「あぁここで私達も伝説を作りましょう!」


 そして一気に奴との距離を詰める為に動く。


 ここから二人の厳しい決戦が始動する。

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