AM2:30~CM明け。

 ~♪(ブリッジジングル)


『さあ、ハイウェイ川島のワンナイトジャパン! ここまでミジンコがお送りして参りましたが、いよいよ残すところあとわずかとなってまいりました! そんな中、なんとスサノオさんに続いて二人目のゲストにお越しいただいております!』

 

「どうも、ワンナイトジャパンをお聴きの皆さんこんばんは! アイドルの西瀬マルです! 向かい風が強くて、到着が遅れちゃいましたー! みなさんホントにごめんなさーい! てへへ」


 ぱちぱちぱち(拍手の音)


『やったあ! トップアイドルの西瀬マルさんが来てくれました! リスナーのみなさんも是非『ハッシュタグ犬を探して仕事すっぽかし』で呟いて、番組を盛り上げてください!』

 

「あ、ちょ。楽奈ちゃん?」


『さ、こうしてトップアイドルとミジンコアイドルが顔を合わせたわけですし! いってみましょう! ハイウェイ川島の、クイズコーナーッ!』


 ~♪(ジングル)


「ええええ!? このタイミングで!?」


『え?』


「あ、いや、あんまり自分で言いたくはないけど、せっかくトップアイドルの西瀬マルが来たのにコーナー行っちゃうんだなあ、なあんて」


『あ! 失礼しました……さきに答え教えておくべきでしたね……』


「いや八百長してくれって言ってんじゃないわよ!」


『よ、よかったです。それでは第一問!』


 ~♪(ブブー!)


「効果音どうなってんのよ」


『作曲家の梶木鮪かじきまぐろ先生が好きな果物はりんごですか?』


「知らないわよ。そもそも誰なのよ梶木鮪先生って」


『気を付けてください! ひっかけ問題ですよ!』


「いやまず引っかかるステージに立ててないのよ!」


 ガサガサ(紙の音)


『あ! クイズの途中ですが、ここでフツオタが入って参りました!』


「なんでクイズの途中でフツオタ持ってくるのよ」


『えー、ラジオネームぷるぷるぷりんさん』


 ――楽奈ちゃん、西瀬マルちゃん、こんばんは!


『こんばんは~! 気安く挨拶してんじゃないわよ!』


「どうしたのよ急に」


 ――二人は甘いものは好きですか。あと、彼氏はいますか。


『ということですね。ありがとうございます~』


「いやクソみたいなメールッ!」


『ええっ!?』


「ああ、いや、ごめんなさい。わたあめ! わたあめが好きです!」


『ええっ!? あのトップモデルのわたあめ君ですか!?』


「いや彼氏の話してないのよ! あとトップモデルのわたあめって誰よ!」


『いや、今のはやばいですよね!? ええっと、どうすれば……! だれか! だれかピー音入れれますか!?』


 ガヤガヤ(慌ただしい音)


「いや落ち着いて! 生放送だからこれ! だいたいなんでスタッフもバタバタしてんのよ! そもそもそのわたあめって人と(ピー)は何にも無いわよ! ってどこでピー音入れてんのよ!」


『ど、どうしましょう! これは大変なことになりました! 一旦CM行きますか!?』


「ちょっと待ちなさいよ! 一回そのわたあめと(ピー)の誤解を解かさせなさいよ!」


『いやちょ、一旦! 一旦CMうううううああああああああっ!』


「あああもう向かい風がすごいぃぃぃぃぃっ!」



 

 ~♪(ブリッジジングル)


 


 ――――▶▷▷ コマーシャル。





  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る