AM2:20~CM明け。

 ~♪(ブリッジジングル)


『みなさんこんばんは、ハイウェイ川島のワンナイトジャパンでございます! というわけで、何を隠そうハイウェイ川島さん不在の中お送りしておりますが! なんとここでとんでもないビッグゲストが駆け付けて下さったそうです! スサノオさん、お入りくださいー』


 ぱちぱちぱち(拍手の音)

 

「イエアー! なんだかディフィカルトなことになってるみたいダネェ」

 

『そうなんですよ! でももうスサノオさんが来てくれたから安心です! やっぱりスサノオさんはヒーローなんだなって』

 

「ヒーローだなんて、ちょっとイグザクトレイションなんじゃないカイ? ハハハ!」


『それにしても、急だったのによくぞお越しくださいました。本当にありがとうございます!』


「まあバイチャンス、全国ツアーでカミングトゥージャパンしていたからネ。それにハイウェイリバーアイランドとはベストフレンドだったから、クイックリーして駆け付けたワケだヨ!」


『なるほどー! ちょっと何言ってるか分かんないんですけど、ありがとうございます!』


「え? あ、ウン」

 

『それにスサノオさんといえば、子供たちの憧れでもありますし!』

 

「ウン? うんン……」

 

『もう得意のラリアットで、この不穏な空気を吹き飛ばせえっ! つって!』

 

「ちょちょチョット。チョット待っテ」

 

『はい、どうしましたスサノオさん』

 

「なんかさ、ボクのこと勘違いしてナイ?」

 

『え? 勘違いですか?』

 

「なんか格闘家かなんかだと思ってナイ?」

 

『え、四国地方を中心に活躍されてるプロレスラーのスサノオさんですよね?』

 

「全然違うヨ! ボクあれだよ? 世界的ギタリストだヨ?」


『ええ? ちょっと何言ってるか分かんないんですけども』


「いやコレは分かるダロ! ボクは世界的ギタリストのスサノオだって言ってるんダヨ!」

 

『ええっ!? スサノオ違い!? おかしいな、ちゃんと検索したのに……』

 

「なんだよスサノオ違いっテ! 聞いたことないヨ! なんで世界的ギタリストが地方のプロレスラーに検索結果で負けてるんダヨ!」

 

『ああああ、これは大変失礼いたしました! 罰として私にラリアットをッ!』

 

「だからプロレスラーじゃナイって言ってるんだヨ!」


 ガサガサ(紙の音)

 

『あ、フツオタ! フツオタきました!』

 

「普通にメールって言えヨ!」

 

『ラジオネーム、ロック大好きさんから頂きました!』


 ――楽奈ちゃん、スサノオさん、こんばんは!

 

『こんばんはー。コンバァンワ!』

 

「ボクの分は言わなくていいヨ!」

 

 ――ぼくは、スサノオさんの大ファンです。子供のころからずっと大好きでした。試合後の勝利ポーズは今でもよく真似しています。

 

「おいコイツもプロレスラーだと思ってるジャネーカヨ!」

 

『ああもうコラ! ロック大好きさんコラ! おしおきラリアットだぞコラっ!』

 

「もういい! 帰る!」


『ええっ!? スサノオさん! ちょっと待ってください!』


 バタン(扉の閉まる音)

 

『あああ。行っちゃった……』


 ~♪(ブリッジジングル)


『あ、CMいきますか。わかりました!』


 すうーっ。


『うああああああああああッ! CMだバンザァァァァァァイッ!』



 

 ――――▶▷▷ コマーシャル。





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