見つけてはいけない箱

 私の勤める会社は、創業100年以上経っています。

 とはいえ、規模は中小企業に少し毛の生えた程度です。

 ある日、社長が倉庫を片付けようと言いました。

 その作業中、私はある木の箱を発見しました。

 相当古く、少し撫でただけでぽろぽろと外側が崩れていきます。

 すると、老齢の社員が顔を真っ青にして飛んできました。

「戻せ、ゆっくりと戻せ」

と、震えた声で言いました。私は元あった場所にその箱を戻しました。

「社長だめだ。(ピー)が見つかった」

 老齢の社員のその言葉に、社長も驚愕の表情を浮かべました。

 そのあとすぐ、その倉庫の掃除は取りやめになりました。

 あれは何だったのでしょう。

 古い会社にはいろいろとあるんだろうな、と私は思いました


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る